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開戦時の日本国民の意識。後の東大総長・南原繁「人間の常識を超え学識を超えておこれり日本世界と戦ふ」当時の日本とアメリカの経済格差(GDPで12倍)を日本の当局は特に隠そうとはしなかった。物的な国力差を克服するのが大和魂と国民をまとめ扇動していた。南原は正気の沙汰ではないと感じていたようだ。東大で中国文学を専攻していた竹内好は、中国を相手とする泥沼のような”弱いものいじめ”のような戦争ではなく、強い英米との開戦に感動している。このような安堵感のような思いが、身が引き締まるとか明るいとかいった庶民の日記に多数見られるそうだ。
陸軍は当初、ソ連侵攻を念頭に置いていたが、1940年の時点で、蒋介石への英米の軍事支援ルートを叩くために、すでにドイツの傀儡政権となっていたヴィシー政権の北部仏印に進駐する。ここから南進論が広がる。しかもアメリカが、迅速に在米日本資産凍結と石油の対日全面禁輸を行った。この影響もあって日中戦争が長引いているので、戦争継続のために南方に求める必要があるというわけだ。
真珠湾攻撃についてかなり専門的な逸話が記されている。高度100mから魚雷を投下すると水面下60mくらい沈み、その襲撃でスクリューが稼働、深度6mくらいで進み、吃水線下6mの火薬庫あたりで爆発する。真珠湾は水深12m。米海軍は安心しきっていたようだが、海面スレスレに飛行し、そっと魚雷を投下する技術を3ヶ月の訓練で身につけた海軍航空隊に奇襲攻撃を受けてしまう。
…真珠湾攻撃の雷撃の技術的な話は面白かったが、この本には、アメリカの対日戦略であるオレンジ作戦やF・ルーズベルトのロブスター捕獲の話(深い檻の奥まで誘い込む)などは出てこない。このシリーズの最初に触れたように、著者は太平洋戦争開戦の主体は、あくまで日本だと見ているような気がする。交通事故の保険裁定ではないが、私は五分五分、悪くても六・四(六が日本)のような気がする。
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