2023年1月29日日曜日

「探究の授業」を考える。

先日、学園の食堂で、社会科の若い先生に声をかけられた。「探究の授業について、」だった。高校の社会科は大きな転換点を迎えている。思考を重視したワークショップ的な授業が求められている。共通テストも、そのベクトルで作成されている。現場では、試行錯誤が続いているのである。

今読んでいる「答えのない世界に立ち向かう哲学講座」は、倫理の思考トレーニングにはかなり役立ちそうである。本編では、AIの問題、生命倫理(バイオサイエンス)の問題、さらに資本主義の終焉が叫ばれる中で、その先を思考するといった講座の様子が描かれている、

問題は、この講座の対象はビジネスパーソンであることである、高校生ではない。とはいえ、参考になることは間違いがない、たとえば、AIの答えのない問題。Iが進歩し、たとえば自動車の完全自動運転となった時の責任は、製造会社にあるのか、使用していた人間にあるのか、はたまたAIそのものに責任があるのか。AIを法的に法人のような概念で取り扱うのか、人間並みにするのかなど、面白いが複雑な論議がなされていく。

浦沢直樹の漫画に『PLUTO』というのがある。手塚治虫の『地上最大のロボット』のリメイク版で、アトムもウランも出てくるが、ドイツの刑事ロボット・ゲジヒトが主人公で描かれている。このゲジヒトは、アトム同様AIによって人間同様に思考する。(もちろん計算スピードは比べ物にならないが…。ここではロボットの権利が認められている。ただし、人間を殺さない、というプログラミングがされている。そういう一面からは二級市民的な法が施行されている。AIが進歩し、ロボットと共存する未来社会を作者は設定しているわけだ。現実には、この論議は進んでいない。

さて、図書館への返却までに、少しずつこの本の「探究の授業」に役立ちそうな内容をエントリーしておこうと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿