倫理の教科書は8種類ある。出版社は東京書籍(22.2)・実教出版(21.2)、第一学習社(19.5)、清水書院(19.1+6.0)、教研出版(8.7)、山川出版社(1.1+1.1)の6社である。( )の数字は占有率。2つある出版社は古い版と改訂版が出ている故。共通テストは、あくまでも教科書の記載から作られている。ただし、内容が全て同じではない。当然のことだが、教える側として困るのは、使っている教科書以外の教科書にある記述から出題される可能性がある。その最も顕著なものが、「現代哲学」なのである。
ポスト構造主義と、分析哲学でウィトゲンシュタインくらいまでは、これまでずっとカバーしてきたが、先日共通テスト後に少しエントリーしたように、今年はレヴィナスが出た。倫理の資料集は、すべての教科書をカバーできるように作られているはずなので、資料集を基本に教えるのがいいかもしれない。そうなると、かなりカバーすべき哲学者の数が増えるわけだ。正直、私に属性のない哲学者もいる。資料集で自学自習せよと言っても、難解な哲学が多い。
時間的に焦りはしないが、来年度の授業のためにも、西洋哲学史を一応講じた後で、夏休みの講習時にでも、まとめてやろうかなと考えている次第。今回の新書購入は、そのための準備の一環なのである。
この本で描かれている哲学者は、章順に、マルクス・ガブリエル、ジャック・デリダ、ニック・ランド、フリードリヒ・キットラー、リチャード・ローティ、ジル・ドゥルーズ、ダニエル・デネット、クァンタン・メイヤスー、スラヴォイ・ジジェク、最後にというラインナップである。
デリダ、ドゥルーズ、吉本隆明は今年も教えた。資料集にもない名前も多いのだが、私自身の学びのためにも、しっかりと血肉にしようと考えている。幸い、著者のおかげで読みやすい本に仕上がっている。
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