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たとえば、贖宥状(=免罪符)とくれば、ルターの宗教改革のきっかけという学びは正しいが、それ以前にも贖宥状は教皇から出されている。十字軍に参加できない人々に戦費を負担するために発行されたのが最初らしい。大シスマの時にもローマに巡礼できない人々へも発行された。最も有名なのは、ルネサンスの中心メジチ家出身のレオ10世がサン・ピエトロ寺院の改築のために出した前述の贖宥状だが、そもそもこの改築は前教皇が始めたものであったりする。
ルターとくれば、聖書中心主義で、(それまでカトリックの共通語であるラテン語で書かれた)聖書をドイツ語訳し、グーテンベルクの活版印刷と結びついたという話になる。なんか、ルターが最初に聖書の翻訳をしたみたいだが、もっと古いのはチェコであチェコるらしい。そのチェコから嫁入りしてきたイングランドの王妃がチェコ語の聖書を持っていたのを、ウィクリフが発見し、聖書を英訳した、と言われている。決して、ルターのドイツ語訳は世界初ではないわけだ。
これらは、世界史の研鑽で知った事実で、すでにエントリーしている。こういう事実は、実に興味深いと私などは思う。
さて、カルヴァンの超有名な職業召命観もまた、その前段階がある。これはルターで、ルターは聖書のドイツ語訳において職業を「Beruf」と訳している。(Google翻訳では日本語なら仕事になっていたが)大澤真幸の社会学史では、これは、英語で言うCaling、すなわち「呼びかけ」の意味であるとしている。(Google翻訳で英訳すると確かに出てくる。)神の呼びかけがに応じることが職業だ、というわけである。職業召命観もまた、カルヴァンが始祖ではないわけだ。最も、カルヴァンは予定説からさらにこの職業召命観を資本主義の倫理に昇華させているが…。
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