2022年4月10日日曜日

ホッブズ&囚人のジレンマ

https://career-cc.net/game-theory-prisoners-dilemma/
政経のプリントを作っていて、今回はあえてホッボズ問題を取り上げてみることにした。進学校なので時間的余裕はあまりないのだが、小学校・中学校と公民分野で憲法や日本の政治の仕組みをやっているわけで、二番煎じ・三番煎じには時間をかけず、社会科学の面白さを伝える方がいいと判断したのだ。

まずは、キリスト教世界が神定法ではなく、自然法という神の設計図を設定していることを伝えたい。ユダヤ教とキリスト教の関係性について、このユダヤ教の律法が神定法で、キリスト教がこれを否定している故に、神の設計図をなくし、人定法ではあるが、普遍的な意味で自然法を得るという問題は極めて重要である。と、言いつつ、ロックやルソー、もっといえば近代哲学は神の存在の上に成り立っているので、こういう感覚を優秀な生徒たちに伝えるべきだと思うのだ。

ちなみに、ホッブズは神の存在を無視して、自然状態を設定している。しかも当時の絶対主義的な時代において、自然権を平等なものとしている。ピューリタン革命時のイギリスにおいて、これはピューリタンにとっても王党派にとっても危険思想であったわけだ。この辺は実に面白い。

さて、ホッブズ問題については、すでに2019年4月27日にエントリーしている。ホッブズ問題とは、ホッブズが提起した問題ではなく、アメリカの社会学者・パーソンズが「社会秩序はいかにして可能か」という問題について命名したものである。

https://sites.google.com/a/mytougane.com/tontororinohit
origotoa/jing-ji/jing-ji-xue-yong-yu/qiu-rennojirenma
今回のプリントでは、ゲーム理論(=囚人のジレンマ)も記しておいた。経済学などでも使われているし、興味があれば自分で調べることができそうな生徒達なので、こういう啓発もいいかなと思う。私の使命は、そういう知的啓発ではないかというのが、この一週間熟慮した結果である。

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