さて、このマンガゼミ倫理の書評である。マンガの設定は、ロボットと女子高校生のタイムトラベルが主になっている。世界史や日本史などの歴史のマンガ本はわかりやすいのだが、さすがに、「倫理」の学習内容を網羅しようとすると難しい。とっつきやすさ、わかりやすさを売りにしようとしてるのだが、かなり無理がある。
おそらく単元ごとのページ数も決まっているのだろう。カントのところなど、難解な語彙の嵐になっていて、結局消化不良にならざるをえないと思った。もちろん、この本はあくまで導入であるのだから、一気に興味を引く、あるいはシンプルに理解の手立てとするくらいでいいのではないかなどと思う。
倫理の教科書だけでも受験には足りない。資料集では詳細にすぎる。このコンビネーションが必要なのだが、この漫画本は、倫理の教科書代わりになろうとしているように感じた。
製作者の努力には敬意を払うが、失礼ながら、これだけの対価を払う価値はないように思う。生徒にはあえて勧めない。
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