船便が届いて、読みたかった本を手に取った。「華僑華人」(可児弘明編/1995年3月・東方書店)である。この本は、PBTを去る前日くらいに日本人会の古本コーナーで最後の最後に手に入れたものである。つまり最後のRM1古本である。
マレーシアにあって、マレー系の政治や政策、あるいはイスラム教と国民国家の関係などについてはよく勉強したと思う。インド系についても本を求め勉強した。ただ中華系については、あまり勉強していないのが心残りであった。その想いがこの本を求めたのだと思う。F40の学生諸君とは、このマレーシアにおける中華系の問題について話し合った。想定外の発見も多かった。学術的に「華僑」の存在を学びたいと思っていた。道教についても同様だ。日本に帰国して、その想いは持ち続けている。
最初に教えたF36で、ある中華系の学生に将来のことを聞いた時、きっぱりと「マレーシアには戻る気はありません。」と言ったので、非常に驚いたことを鮮明に覚えている。今彼女の言うところは50%くらいわかる気がする。マレーシアの中華系の人々のアイデンティティの問題は、それぞれの家庭でかなり違うようだ。マレーシア人として生きる人もいれば、マレーシア在住の中華系、あるいは在マレーシア中国人として生きることを選択した人もいる。そしてF36 のOGのようにマレーシアの国籍をフリーハンドで考えようとしている者もいる。このあたりのニュアンスは実に微妙である。
宗教的、文化的に日本人に最も近いのが、中華系である故に結局、勉強不足のまま終わってしまった。それがちょっと悔やまれるのだが、日本にいる中華系の教え子も多いし、こっちでイロイロ教えてもらおうと思う。この本の書評については、いずれ書くとして、今日は、この本を手に取ってそんなことを考えていたという話である。
追記:香港総督も愛知県知事も即位の礼に参加したらしい。特に愛知県知事には、ネット上でかなりの批判が出ているようだ。
2019年10月23日水曜日
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