マレーシアから日本に帰国して、メリット・デメリットがそれぞれあるのだが、メリットの1つが本屋で実際に買いたい本を手にすることができるということだ。先週の土曜日に八幡浜に買い物に行った際に、「アメリカ」(橋爪大三郎・大澤真幸/河出新書2018年11月)を購入した。この2人の社会学者の対談はすでに何冊も読んでいる。安心感とともに期待感を抱かせる。
大澤氏の「まえがき」を読んだだけで「買い」である。少し引用しておこう。(趣意)アメリカには極端な両義性がある。圧倒的な世界標準としてのアメリカ。もうひとつは西洋世界でありながら、違いが際立つ例外としてのアメリカ。この二重性によってアメリカが現代を代表している。一方、戦後の日本は、このアメリカへの愛着が強い。しかし日本ほどアメリカへの無理解が甚だしい国はない。これは、日本が一神教と最も縁遠い故である。
現在40ページほど読んだのだが、この対談は目次を見ると、およそ、①キリスト教理解から見るなアメリカ、②プラグマティズム、③奴隷制、非社会主義など現代アメリカとの関わりに分かれている。私はこの本の視点はすこぶる正しいと思う。一神教の理解無くしてアメリカは分からない。プラグマティズムを理解しないとアメリカ人の発想は分からないのである。
これまでアメリカ関係の本をどれだけ読んできただろう。この1冊はそれらを止揚するものになるのか、あるいは全く別のベクトルを提示してくれるものになるのだろうか。実に楽しみである。
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