2019年10月29日火曜日

緒方貞子さんの訃報

https://www.bbc.com/japanese/50217539
緒方貞子さんの訃報が流れてきた。緒方さんの実績や賞賛については、朝日も毎日も産経も同様。こういう左右から毀誉褒貶のない人物は実に珍しいと思う。とにかく凄い方なので私などが講釈を垂れる必要もないだろうと思うのだが、是非エントリーしておきたい。

誰もが緒方貞子になれるわけではないと思う。緒方さんは、犬養首相の曾孫であり、外交官の娘であり、夫は緒方竹虎の三男で日銀副総裁。当然ながら戦前から戦後にかけての日本のエスタブリッシュメントである。だから上皇后様と同じS女子大学で学べたのだし、米国にも留学できたわけで、華麗な経歴を歩んでこれたのだと思う。しかし、出自が全てではない。彼女は国際関係学の優秀な学者であり、何より真のエスタブリッシュメントであった(=上流階級の人間として貧困に苦しむ人々のために最前線に立って戦った。)。それが最も顕著に表れたのが、UNCHRでの10年であったといえよう。(もちろん、JICA理事長をはじめ多くの公務をされている。)…日本が誇る地球市民である。

同時に、誰もが緒方貞子になれると私は思う。彼女のような立場ではないにせよ、あらゆる問題に我々は関わっていける。今の時代、一個人でもSNSで発信できるし、世界の事を考え行動することが可能である。もちろん、地球市民として生きることができる。

PBTで、日本人の偉人を調べて発表するという授業が行われていて、常に私が第一に推したのは緒方貞子さんだった。”The best of 地球市民 in Japanese.”だからである。ちなみに2番目に押すのは、イチローだった。彼は現代日本における”The best of サムライ in Japanese.”だからだ。我々は、”Best”ではないが、地球市民にもサムライにもなることはできると私は思っている。

まさに巨星墜つ。だが、彼女の後に、陸続と地球市民が続いていくはずだ。

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