2019年10月30日水曜日

ピルグリム・ファーザーズ

http://rebolloushistory.blogspot.com/p/chapter-1.html
橋爪大三郎・大澤真幸の「アメリカ」を読んでいると、当然ながら一神教の歴史、特に宗教改革以後の世界の話題が出てくる。ある程度の知識がないと読めない本ではある。最初の方で、そういった歴史の概説の後、ピルグリム・ファーザーズの話が出てくる。実は私は、彼らピューリタンが非ピューリタンをメイフラワー号上で多く殺害した、とんでもない連中だと思っていた。「アメリカの作り方」という本に書かれていたように記憶する。それに、実際にアメリカは、彼らが最初に植民したわけではなく、ヴァージニアなどにイギリス国王の認めた植民地がすでに建設されていた。アメリカは、なぜ彼らを殊更に重視し神話化するのか謎であった。その謎を解くカギが示される。

前述のように、メイフラワー号には非ピューリタンも乗船していた。最初ヴァージニアに向かう予定で非ピューリタンはそこで働こうとする人々であった。ところが、北にそれ、現在のマサチューセッツ州のプリマスあたりに到着してしまった。ここは、イギリス国の特許状のない未開の土地であることが重要である。ヴァージニアなら、すでに法律も社会秩序も存在しているが、ここは無法地帯である。そこで、メイフラワー契約が結ばれる。契約によって社会を作ることになった。これがアメリカのひな型になる。だから、重要なのだというわけだ。こう記すと社会契約説の影響に思われるが、まだホッブズもロックも登場する寸前であるらしい。先んじて社会契約による社会を形成したわけだ。
…2人の社会学者の議論は、ここから始まっていく。

0 件のコメント:

コメントを投稿