2017年12月15日金曜日

IBTの話(149) 1月分の教材研究

我がクラスの進路指導も一息ついたので、パワーポイントを作成しながらコツコツと1月からの国費生のための授業準備をしている。昨年同様、文系だけでなく理系の学生にも教えることになっている。狭い校内だし、顔なじみなので楽しみである。もちろん、私費生の国立大学小論文対策の授業もあるのだが、まずは国費生から取りかかっている。

理系のクラス担任のS先生から、近現代史から日本を見るような授業をしてもらいたいとの要請があったので、今回は日本が何故植民地にならず、近代国家化に成功したか?というテーマでやろうと思っている。私の専門が倫理故、まずその背景となる日本の思想文化を語ることにした。日本の思想文化は多重構造である。記紀にある「清き明き心」が農耕民的多神教で培われ、その上に大乗仏教、さらに儒教(孔子・孟子・朱子学・陽明学)がある。これらの思想は集団主義と武士道を生んだというのが大筋だ。西洋的な個人主義は、その後に付け足されていると感じである。
ついつい詳しく論じてしまいがちだが、今回はそのエキスを語ろうと思っている。清き明き心は記紀を説くのもいいけれど、「舌切り雀」でいこうかなと思っている。武士道も、今年我がクラスから参加したI君にもらったリーダー塾で語られた国際日本文化センターの笠谷先生の武士道の講義レジメから、2013年7月のJRの南浦和駅での話や東日本震災をはじめとした被災した日本人は決して略奪や暴動に走らない忍耐強さををみせるという事例を引用させていただこうと思う。その他に、仏教や儒教もいろいろ事例を用意しているのだけれど、それは教育実践後に、その反応も含めてエントリーしようと思う。

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