東洋経済のWEBに「アフリカは資本主義の限界を見抜いている」ー日本人がアフリカ思想から学べることは多いーという記事が載っていた。11月27日に行われたトークセッションの内容が書かれている。岩波書店の雑誌「思想」の編集長らの話で構成されている。
http://toyokeizai.net/articles/-/201812
そのトークセッションの内容は、記事をご覧頂くとして、「思想」8月号<思想するアフリカ>の目次を調べてみた。これがなかなか興味深い。記事のタイトルを見ただけでおよその察しがつくものがいくつかある。
https://www.iwanami.co.jp/book/b308566.html
それらは、アフリカの情の経済を主体に取り上げているようだ。アフリカでは、個人一人だけが成功するということは難しい。血縁・地縁の結びつきが強く、これに反すると、呪術的な報復を受けることもある。こう書いてしまうとなにやら野蛮な感じがするが、平等というアフリカ的正義の問題であると私は思っている。
成功した者は、血縁に対して十分な保証をするべきだし、地縁の繋がりを重視し出身地に貢献するのがあたりまえであるというのがアフリカ的で正義である。実際、私の友人であったケニア人故ピーター・オルワ氏もそうしていた。ケニアではナイロビで成功しても、必ず出身地で葬儀が行われる。
抜け駆けは許されない。現在の資本主義の経済格差の問題を考えるとき、アンチテーゼとして、こういうアフリカ的な正義が提出されてしかるべきである。アフリカでは資本主義の前提でもある個人主義は成立しないわけだ。
おそらくはこういう視点が「思想」8月号で展開されていると思う。なんにせよ、こういうアフリカの視点が日本で評価され、アフリカから学ぼうという呼びかけがなされることを喜ばしく思う。
2017年12月27日水曜日
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