2017年12月9日土曜日

IBTの話(147) 日本語研究発表

優勝チームの発表風景
昨日一昨日と、我がクラスではK先生の日本語の授業で5チームの研究発表が行われた。行われた順に記しておくと、①高度経済成長時代の政治家/池田勇人・田中角栄チーム、②日本を代表する国際人/新渡戸稲造・杉原千畝チーム、③近世日本の礎を築いた武将/織田信長・豊臣秀吉・徳川家康チーム、④明治維新の中核/西郷隆盛・大久保利通・坂本龍馬チーム、⑤日本の人権運動の先駆者/中江兆民・平塚らいてうチームである。

みんなの投票結果から決まった優勝チームは、新渡戸稲造・杉原千畝チームだった。他のチームも良かったのだが、このチームは十分な資料集めをしたうえに、寸劇を入れたりして演出面もよかった。私も知らなかったのだが、新渡戸さんも千畝さんも、洗礼名がパウロらしい。だから、タイトルが「二人のパウロの物語」になっていることだ。私が一番褒めたいのは、こういう普段の学習成果を踏まえた上での、その「一歩先に進んだ部分」だ。

K先生と感想を話し合っていたのだが、その中心は各人の日本語能力の問題である。資料を調べ、これを自分の言葉に直して語るということは極めて難しい。日本語能力が不十分だと資料を棒読みするしかない。たとえ、内容が理解できていたとしても、自分の言葉にするための語彙力が必要である。昨年と違い、今年は学生一人ひとりのおよその日本語能力を私もわかっている。4月以来の日本語の先生方からの様々な授業での情報もあり、そんな目で発表を見ていると、学ぶ方・教える方、両面から見た日本語学習の大変さが理解できる。私と言えば、そういう日本語学習で言う聴解能力や読解能力、語彙能力などはあまり考えずに社会科の指導をしている。学習内容が高度(およそ日本語の上級レベルが中心になるだろうと思う。)故に仕方ないと言えばそれまでなのだが、3年目になる来期はそろそろそういう面でのさらなる工夫も必要かなと思った次第。

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