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第4部水辺に生きるの第2章「クルアーンを詠唱する子どもたちーマリの古都ジュンネで」と題した伊藤未来さんの論文だ。水辺とは、ニジェール川を指している。ジュンネはニジェール川が形成する内陸三角州の南端に位置している。支流パニ川のさらに分流に囲まれた街なのである。人口は15000人ほど。商業と稲作が生業のソンガイ人とマルカ人が約40%を占め、牧畜民のフルベ人が約20%、漁民のソルコ人15%、畑作民のバナマン人が5%、その他にも有名な書数民族のドゴン人、マリンケ人、ブア人が住んでいるが、ほぼ全員がムスリムである。民族は違っても、ムスリムは平等である。言語も生業も違う人々を取り結ぶ社会的基盤となっている。
意外だったのは、有名なジュンネのモスクは街唯一のモスクであることだ。クルアーン学校の教師をジュンネ語でアルファと呼ぶ。とても身近な存在で名付けや割礼の儀式を行ったり、教え子の婚活も行うそうだ。また葬儀でも中心的な存在になる。クルアーン学校の教師と行っても兼業で、小学校とは別に、子ども(7歳くらいから)にクルアーンとアラビア語を朝夕教えている塾のようなものである。
本編では、この後様々な子どもたちの日常を追っていくのだが、これまた読者の皆さんには是非とも荒熊さん編集のこの新刊本を購入して頂きたいので、ここまで筆を置きたい。スミマセン。
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