アメリカ大統領が、「他国が軍事力で勝ることを許さない」と軍備の増強をホワイトハウスの公式サイトで表明した。このことと、大きく関連するのではないかという記事がダイヤモンド・オンラインに載っている。タイトルは、「米中戦争は可能性70%、しかも米国劣勢と予想する理由」という、かなり衝撃的かつ眉唾モノの記事なのだが…。
新政権の中枢(国家通商会議議長)に入っている経済学者ピーター・ナヴァロが執筆した最新著作「米中もし戦わば-戦争の地政学」が、新政権の対中国観・アジア観を代弁しているとこの記事は書いている。この本によると、戦車や戦闘機、軍艦などを生産できる経済力、とりわけアメリカ国内の製造工場の多くが中国に移転してしまっている現状を危惧している。戦争が起こった場合劣勢に立たされるというのは、このことをさす。
…近代戦争は、WWⅠ以来、国家の生産能力、経済力をバックにした総力戦になっているからである。
アメリカが中国に戦わずして勝つためには、経済・技術・教育・研究などのソフトパワーと軍事力のハードパワーの総和(=総合国力)が、圧倒している必要がある、そのための貿易不均衡の是正、中国製品への依存度軽減、法人税減税等によるアメリカの製造業の回復、知的財産の保護などを行うべきだというわけだ。
新政権が北朝鮮やイランを名指しで非難し、軍事力増強を訴える裏には、また国内の製造業を無理やり保護しようとする裏には、ピーター・ナヴァロの地政学があるということらしい。
…大統領は、極めて短慮で感情的な一面を持っていることはこの1カ月で周知の事実となった。中国と戦争することはありえない(=米中だけでなく全世界経済が大混乱に陥り、デメリットが大きすぎる。)、と私は考えているが、北朝鮮や、イランと、韓国やイスラエルと共にアメリカが戦争する可能性は十分にある、と最近感じざるを得ない状況である。
…国内製造業の回復を図るという政策は労働者保護というより、まさに、戦争準備のための政策だったのかと思うと、国家戦略とはそういうものだと歴史は教えてくれるとはいえ、今更ながら愕然とするのである。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/20/trump-military_n_14288392.htmlhttp://diamond.jp/articles/-/119031
2017年2月27日月曜日
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