http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im6234070 |
「日本の方もこの現状を変えることができます。(戦時中のの日系人の強制収容所で)非人間的な行いに苦しんだからこそ、その声は重要なのです。ですから、共に立ち上がり声をあげましょう。」
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2974281.html
ほんと微力ではあるけれど、地球市民として、一個人、一日本人として、キズル・カーン氏の呼びかけに応えようと思う。幸い、このブログは世界に発信され、様々な国の人々の目にもふれている。
今回の大統領令は、何から何までおかしい。テロから国民を守るためと称して、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの7ヶ国の入国を90日間禁止したものだが、米国内で9.11以降、テロ行為を企てた国の人々161人中、対象の7ヶ国の出身者は11人のみ。
まず批判したいのは、(テロ犯はこの国々の人々であるという)ウソで固めた思い込みの政策だということ。本当は、選挙戦中に公約したイスラム系全ての入国禁止にしたかったが、とりあえず、オバマ政権時代に共和党が示した「懸念対象国」とされた、現在内戦や様々な問題の起きている国を、単純に指定したとしか思えない。ここには、論理的な理由もない。思いつきだ。それにしても、就任式の人出の数以来、トランプ政権はウソばかりついている。まさに、POST TRUTH(真実は重要ではない)である。
そして、それは、誰のため?と問いかけたい。(わけのわからない)公約を実行する強きリーダーとしての自分を演出するためではないのか?(事前準備が長くかかると反対されることをおそれ)側近だけで秘密裏に進め、(急な変更で)現場が大混乱しようと、知ったことではないという姿勢は、まさに無責任極まりない。こういう政策をうつ短慮な人間が、世界に最も大きな影響をもち、核ミサイルの発射をも握るアメリカ合衆国大統領のイスに座るべきではない。
次に、キズル・カーン氏が、イスラム排斥を批判する時に持ち出したアメリカ合衆国憲法について、述べたい。独立時、バージニア王朝と呼ばれた歴代大統領集団(父祖)は、ついぞ国教を定めなかった。信教の自由を保障したのである。当時は、当然ながら英国教会を主としたプロテスタントが多数派であったし、合衆国憲法の最後には、キススト紀元1787年とあるが、憲法本文には、キリスト教の「キ」の字も出てこない。しかも、その後、憲法修正第一条で、「国教を禁止し、国教を規定し信教の自由な行為を禁止する法律の制定を連邦議会に禁じる。」としたのである。もちろん、当時はイスラム教徒も仏教ともヒンドゥー教徒もその念頭にはなかったと思われるが、そういう多くの国からの移民を、この信教の自由を高らかに謳った憲法は集めることに成功した。アメリカを代表するIT企業が、今回の大統領令に大慌てしたのも、元をたどれば、そういう宗教的寛容さと人権擁護が移民を誘導したからだ。彼とその取り巻きは、そういうアメリカの実体をも全く無視している。
そう、多くの人々が指摘するようにアメリカは移民の国である。そして人権を擁護する民主主義の総本山的存在である。ところが、その信用は、浅はかな大統領令によって、崩れ去った。就任後10日にしてこの事態だ。すでに「弾劾」というコトバがWEB上で語られ始めている。一方で、トランプ氏は、社説で批判したNYタイムズを買収か廃刊すべきだと攻撃している。マスコミが権力を批判するのは、民主主義の大原則である。信じられない。批判を封じ込める政治は、独裁である。民主主義の総本山で、このような暴言がゆるされるのか、と私は思う。日本を民主主義化したのは、アメリカだが、日本政府の要人がそんな暴言を吐いたら、ただではすまない。
しかし不思議なことに、この大統領令を51%のアメリカ人が支持しているらしい。アメリカは、極めて危険な道を歩んでいる。当然、いやおうなしに世界が巻き込まれていく。
私はブティストであるが、マレーシアに来て、ムスリムの学生も教えている。彼らは、現在はアメリカに入国できるが、これからどうなるかわからない。日本人である私もいずれ否定されるかもしれない。そうなる前に、アメリカの知性が動き、その責任能力を果たしてくれることを信じたい。
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