2016年10月4日火曜日

朝日 アフガンの野ざらしバス

朝日新聞のデジタル版に、日本のODAで供与された大型バスが、アフガニスタンのカブール郊外で野ざらしの状態になっているという報告がされていた。記事は途中までしか読めなかったが国際協力の在り方に示唆を与える話である。

記事によると2004年に行われた、大型バス98台と小型バス17台、バス停も含めた23億円超のプロジェクトである。それが、エンジンを始めとしたメンテナンスの調達ルートの不備と、社会主義下における公共交通として期待されながらも、その後の社会構造の変化・市場経済化の波の中で、公共財としてのバスは、民間の小型バスに完全に需要を奪われた形になったらしい。なんとも不運な話であるが、こういう国際協力で失敗したケースもまた多いのが事実なのである。

私はアフリカで、JICAの様々な国際協力の現場を見てきた。ケニアでは、日本のODAマークのついた農機具が、スクラップ同然になったのも見た。ケニアのJICAスタッフは、そういう失敗した現場も、国際協力をこれからの生徒に教えるべき高校教師の私たちに見せてくれたのだ。

国際協力は実に難しい。いくら周到な準備を重ねてもうまくいかない事もある。血税を使って行うわけであるから失敗してもよいとは言わないが、納税者もムツカシイという事実を知っておくことは重要だと私は思っている。どこかの党首が昔やっていたように、短絡的に白黒つけてハイやめましょう、というような話ではないと思うのだ。

国際協力は、地道な協力の積み重ねである。その気位を忘れては日本の未来はない。…私はそう思う。

http://www.asahi.com/articles/ASJ8Y4K7HJ8YUHBI018.html

追記:YAHOOニュースにすばらしい記事を見つけた。オバマ米大統領が紹介した、シリアの空爆に苛まれた少年を助けたいという思いのこもった6歳の米国の少年の手紙。この記事も合わせて是非読んでいただきたい。国際協力の原点は、こういうトコロにあると思う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161004-00010005-giz-ent

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