2014年2月28日金曜日

日経 東アフリカの輸出品目数

EAC5カ国の旗。左端がEACの旗 http://www.eac.int/migration/
今朝の日経に「初歩からのアフリカ・総集編」という記事が載っていた。これまで何度か連載されてきたアフリカ経済の記事の最終回のようだ。その中で、東アフリカの経済成長の記事が目に付いたのでエントリーしておきたい。先日も毎日新聞だったかで、タンザニアの経済が順調だという記事もあった。アフリカでのビジネスに耳目が集まる中、やはり日本では東アフリカが最も注目されているわけだ。

アフリカ各地で展開する運用会社インベスティック・アセット・マネジメントのマイケル・パワー氏は、東アフリカの成長力について次のように述べているという。「海を隔ててアジアや中東に面する地の利に加え、教育や技術がいきわたり、産業化が急速に進み始めた。産業発展を示す指標として輸出品目の数がある。東アフリカのタンザニアやケニアは、資源や食品など何十品目もの項目に分散し、アンゴラ」がなお輸出の9割が原油が占めるのと対照的である。」

…この「輸出品目の数」は、開発政策にとって実に重要であると私は思う。以前、保護主義による輸出代価産業で失敗したアフリカ諸国の例は多い。しかし、この東アフリカの成長は、おそらくは、多くの投資を受け、機械部品の工場などで雇用が増え、産業の集積化が可能になりつつあるのだろうと推測される。保護主義ではなくグローバル化の中での発展である。ここに過去の輸出代価産業政策との違いがある。もちろんパワー氏の指摘にあるように、教育・技術の進展がその土台をなしているこも極めて重要である。

EAC(東アフリカ共同体)の5カ国(ケニア・タンザニア・ウガンダ・ルワンダ・ブルンジ)は昨年11月に10年以内に通貨同盟を設立する議定書に署名した。関税政策の共通化などでさらに投資を呼び水としようとしているという。

…2003年に初めてケニアを訪れてから、凄いスピードで東アフリカが成長していることを実感する。ジョモ・ケニヤッタ大学の設備はまだまだ工業高校並みだったし、JICAのスマッセの理数科教育もやっと軌道に乗り始めたところだった。それが、今実を結びつつあるわけだ。凄いなと思う。もちろんケニアなどでは園芸農業も輸出品目に入っている。たった10年あまりで一気に変わったのだ。東アフリカの人々が豊かになることを寿ぐとともに、乾燥地帯に住む市場経済と未だ無縁の人々との経済格差の問題も気になるところ。全ては一気に解決しないだろうが、まずは順調な飛翔だといえると思う。

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