http://www.behance.net/gallery/Napolon -Bonaparte-in-Vilnius/9644103 |
この国民皆兵こそが、近代国家の「国民国家」を作り出した。プロイセンなどは、ドイツ人らしく論理的に、このナポレオン軍の強さの秘密を解明し、自国民も無理やり「国民国家」化し、最後の最後のワーテルローの戦いで仏軍を逆転し溜飲を下げるわけだ。国民国家というのは、軍事思想であるといってよい。
ところで、少し日本史とオーバーラップさせてみる。日本にこの「国民皆兵=国民国家」という概念を輸入したのは山縣有朋である。戊辰戦争後訪欧して、この列強の強さの秘密を得て帰国するのだ。で、山縣有朋は、西郷に談判し「廃藩置県」の断行を迫るわけだ。廃藩置県とは封建制度の破壊であり、政府軍をつくるための方便でもある。明治の黎明期は、ほとんど新国家プランのない時代だが、学制だけは素早い。日本語の確立、東北弁の克服。ハト、マメ、マス。国民皆兵への道筋をつける事だけは迅速だった。それだけ、列強の植民地支配への危機感が強かったともいえる。
こんな話を今日、文Ⅰ(進学クラス)でしていたら、授業終了後、「先生、廃藩置県の真の意味がわかりました。面白いです。どんな本を読んだらいいですか?」と、ある生徒が聞いてきた。嬉しいではないか。興味をもってくれることが、私の最大の眼目である。
0 件のコメント:
コメントを投稿