2011年1月8日土曜日

朝の光の中で僕は兎になろう

 年末に加川良の『南行きハイウェイ』を久しぶりに聞いて以来、我が家では70年代フォークがマイブームになってしまった。先日妻が急に「”ある朝高野の交差点近くを兎が飛んだ”って、誰の曲だった?」と聞いてきた。「えーと。…豊田勇造。」「そうそう。豊田勇造や。」
 妻は、高校時代からのクラスメートである。我々のクラスの音楽趣味は、拓郎・陽水・かぐや姫といったメジャー以外に大きく拡大していった歴史がある。まだ売れない頃の阿倍野アポロで歌っていた頃のアリス(アルバムで言えばⅠ・Ⅱくらい。)、加川良、斎藤哲夫、憂歌団、上田正樹…。その中でも豊田勇造は、マイナー中のマイナーな拡大であった。(ご本人に失礼だけれど…。)Yという友人が、「さあもういっぺん」というLPレコードをもってきて、勧めてくれたのだった。『大文字』という曲が私は好きである。『ある朝高野の交差点近くを兎が飛んだ』という曲も、この中にあったのだった。さっそく、リサーチしてみた。すると、YouTubeにあるではないか。凄い時代になったものだ。
http://www.youtube.com/watch?v=_vX8Af5LlDc
 ちょっと聞いただけで、どどっと歌詞を思い出した。30年ぶりくらいなのに、2人とも合わせて歌えるところが凄い。(笑)最初に朗読があり、それから歌になる。タイトルも長いが、歌も長い。9分くらいになる。(笑)この朗読も歌詞もちゃんと載せているブログも発見してしまった。『京都第二主義』というブログで、豊田勇造のプロフィールもよくまとめられている。素晴らしいブログだ。
http://2ndkyotoism.blog101.fc2.com/blog-entry-115.html
 このブログの中で、「還暦を過ぎた今も、小さな飲み屋やライブハウスで精力的に演奏する姿は、デビュー以来一貫してブレも飾り気もなく、カッコイイのです(高石ともやほど通俗でなく、岡林友康ほど厭世的でもなく(笑))。」「ボブ・ディランのメッセージ性とボブ・マーリーのラスタ精神を備え、京都の土俗的フォークミュージックの本流を歩いているような人物・・・とでもいいましょうか。」「友部正人もそうですが、“本物の人”は、そうやすやすと電波に乗って人の前には現れませんね(笑)。」とある。私は完全に同意したい。ちょうどウサギ年だからか、YouTubeも京都第二主義も、最近の更新である。もしよかったら、読者のみなさんにも覗いて欲しいところである。特にYouTubeは、画面が変わらないので、じっくりと目を閉じて耳を澄まして欲しい。彼の独特な難解な詩を”感じて”欲しいと思う。

 「♪朝の光の中で僕は兎になろう~」と鼻歌を歌いながら、妻はさきほどH城鍼灸院の手伝い(ボランティアである。)に行ったのだった。 

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