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ダルフール紛争時に、反政府勢力との戦いの尖兵として戦ったが、その際に蓄財したし、金鉱山の利権を手に入れたり、企業を立ち上げたりして経済力も増してきた。サウジやロシアの支援も受けている。リビア内戦では、前述のワグネルと関係を深め文字通り傭兵として儲けてもいる。そのRSFが下剋上に及んでいるというわけだ。
ふと、思うにスーダンは当然ながらイスラム教・スンニー派のアラブ人世界である。国家主権を保証する普遍性はイスラム教にあるが、いまや全世界的に認証されるべきカリフは存在せず、イスラム教では法人という概念がない。結局のところ、最も実力を持つ「人」が支配する構造になっている。最古の例ではムアーウィアーのウマイヤ朝で、現在ではサウジ王家しかり、湾岸諸国の首長しかり。したがって、こういう下剋上は歴史的にみると、当然ありうべきことになるわけだ。
ちなみに、我がマレーシアは、イスラム国家でありながら、法人的な近代国家を構築している。イギリスの植民地政策に由来する華人やインド系移民の存在を受容することで平和裏に独立したという歴史が、イギリスを模した立憲君主制の議会制民主主義国家を生んだのに相違ない。同じイスラム教スンニー派でも全く異なるわけだ。例外的と言った方がいい。アフリカの話であるのに、マレーシアと対比することになってしまったが、このあたりの社会学的な国家観、実に興味深いところである。
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