2023年4月27日木曜日

東大のクールな地理 2

https://en.wikipedia.org/wiki/Indian_Ocean_Rim_Association
「東大のクールな地理」より、2018年第2問設問B③の問題が面白かったので続けてエントリーしてみる。「インド洋を取り巻く国々は、1997年に環インド洋連合(IORA)を組織し、貿易・投資の推進など域内協力推進を図っている。東南アジア諸国からアフリカ東南部インド洋沿岸諸国に対して、今後どのような分野での貿易や投資がなされていくと考えられるか。両地域の経済発展の状況を踏まえ、その理由とともに60字で述べなさい。」

IORAの存在は、高校の教科書や資料にも出てこない。東大もそれを承知で、IORAのことを問うているのではない。東南アジアとアフリカ東南部の経済的なつながりを、受験生の持っている知識をもとに類推せよという問題。

ここで登場する東南アジア諸国は、マレーシア、タイ、インドネシアである。いずれも電化製品などの生産が行われている。(日本も部品輸入や組み立てでサプライチェーン化している諸国である。)アフリカ東南部は、ケニア、タンザニア、モザンビークあたり。マダガスカルなんぞは、マレー系の人が住んでいるので米なども輸出しているのかとも考えるのだが…。東南アジアのほうが経済発展しているので、投資に関しては、東南アジア側からであろう。モザンビークもケニアも海上油田などの資源開発が進んでいる。マレーシアやインドネシアはノウハウもあるので投資しやすいし、イスラム教徒も多いのでイスラム金融の出番でもある。私のイメージは大きく膨らむのだが、字数制限は60字である。

正解は、かなりシンプルで「東南アジア諸国から安価な電気機械などが輸出され、経済発展が遅れたアフリカ諸国に対する資源開発のための投資が増える。」(57字)

画像のIORAの地図の薄い緑の部分の示す国々は対話パートナーなんだとか。

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