2023年4月6日木曜日

「公共」のプリント作成開始2

https://navymule9.saku
ra.ne.jp/000930lev.html
引き続き「公共」のプリント作成に勤しんでいる。No1のプリント(現在の国際情勢)を理解する上で、必要なことは何か?それを一所懸命に考えた末に、結局いつも話しているヨーロッパの「武器としての社会類型論」を教えることにした。今年の2年生は歴史基礎で市民革命以後の近現代史をやっている。「公共」で、ちがう視点(特に鳥瞰的な視点)を与えられることを期待しての話である。したがって、関係する用語は、政治、経済、歴史、宗教など多岐に渡る。「公共」のサブノートにある程度まとまって出てくる内容でもあるので、定期考査の試験範囲としてもふさわしいし、(前述の)指導要領の指示どおりではある。

アメリカ理解も必要なので、少し異なる社会類型も記しておいた。独立自営農民主体のアメリカ(もちろん植民地の地域差はある。)では、ちょうど本国のイギリスが市民革命で混乱していたので、公定教会であった英国国教会の組織が脆弱だった関係で、分離派やクウェーカー、バプティストといったプロテスタント諸派が教会をつくっていった。独立革命の際、ジェファーソンは政教分離を行い、公定教会を排し、プロテスタント各派の教会を普遍概念とし、法人としての連邦政府をつくっていく。人間の悪意を念頭に、っっっっ三権分立のシステムを構築していったわけだ。

せっかくなので、ホッブズの「リヴァイアサン」(画像参照)の正式名称、「リヴァイアサン、あるいは教会的及び市民的なコモンウェルスの素材、形体、及び権力」も教えて、(国民にとって普遍的な)教会+(それによって正統性を認められる)法人という国家の基本形を教えようと思う。これは、後にロシアなど正教の国家の場合や日本の明治政府(教会が憲法の基本にあることを岩倉使節団は見抜いており、それにかわる普遍性を天皇制に求めるわけだ。)につながってくる。中国なら、教会の代わりは易姓革命の「天」になるだろう。これらは、日本を代表する社会学者・橋爪大三郎の論であるし学術的にも問題はあるまい。かなり高度な内容を話すことになりそうだ。

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