総選挙の翌日(昨日10日)に、マハティール氏は国王のもと、首相就任宣誓式を行ったそうだ。日本の感覚(特別国会の招集/両院の首相指名選挙/首相による国務大臣の指名・任命・組閣/天皇のもとでの首相任命・国務大臣認証式)からすれば、すごいスピードである。国会で指名を受けたという確認は現時点ではとれていない。選挙結果が全てなのだろうか。未だ不明。
さて上記の地図は、WEBで見つけた選挙結果の地図である。KLでは、11選挙区で野党が10議席を獲得した。首都機能のあるプトラジャヤは与党のみ1議席。(ここは公務員が多いし、与党に投票することになっているらしい。)KLの周囲にあるセランゴール州は22議席中、与党2議席/野党20議席だった。都市部(ジョホール州やペナン州、マラッカ州など)は、当然野党が強い。マレー系の多い東部でも野党が善戦したことがわかる。(地図中の白い部分は与野党伯仲状態を示している。)
http://ge14.says.com/
ところで、マハティール氏は経済政策にまず重点を置くと宣誓式後の記者会見で語っている。生活費の上昇が国民の不満としてかなり挙げられている。消費税を廃止しつつ、累進課税を強めて、インフレ抑制策をとるのだろう。
さらに「抑圧的な法律」を廃止すると宣言した。「フェイクニュース対策法」といった評判の悪い法律を無効にしていくだろう。
http://www.afpbb.com/articles/-/3174206?cx_part=latest_article
…その流れの中で、マスメディアへの規制を徐々にゆるめていくと私は思っている。民主主義のひとつのキーワードは言論の自由であるからだ。2020年に先進国入り(おそらくはOECD加盟)を目差すためには、開発独裁のイメージの払拭が問われると思う。
…ただ、マレーシアには、未だ触れない方が良いことがある。まずは、宗教。イスラム教、仏教・道教、ヒンドゥー教、キリスト教などの多宗教が混在するイスラム国家という枠組みを守るためには、宗教問題については言論の自由は、公共の福祉という観点から制限が加えられる必要性がある。もうひとつは、ブミプトラ政策の問題である。これを継続するか否かはマレーシアにとっては大問題であるし、その是非を論議することは、政治的な不安定性を招きかねない。とはいえ、これまでの開発独裁と深く関わっている問題であり、国論を二分する可能性を秘めていることに間違いはない。さて、どこまでが許容範囲となるのだろうか。
野党政権樹立を受けて、リンギ安となっている。経済的には、少しばかり混乱も起こりえると私は思う。特に中国との関係性が、これまでよりは薄まる可能性が高い。このための変動は避けられないと思われる。
2018年5月11日金曜日
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