2018年1月8日月曜日

バッタを倒しにアフリカへ 3

ティジャニ君が運転する4WD 
http://d.hatena.ne.jp/otokomaeno/20110520/1305914965
「バッタを倒しにアフリカへ 」の書評の続きをエントリーしたい。今日は、モーリタニアの状況について、である。強烈に印象に残っている話は、著者の選任ドライバーとなったティジャニ君の家庭の話である。モーリタニアでは、太った女性がもてるそうだ。そこで、まるで清時代の纏足よろしく、女児に無理矢理食事させ太らせる習慣があるらしい。ティジャニ君は、それがかわいそうで奥さんと不和になる。結局離婚するのだが、こういう民族的な文化の伝統は面白い。(女児はたまったものではないだろうし、ジェンダー的にも問題があるが、文化人類学的に興味深いという意味である。私は西欧的な尺度で全てを測るべきではないと思っている。)

そのティジャニ君、なかなかの名ドライバーぶりが本書の中に出てくる。サッファという砂漠にある塩分の多い土地を避けるシーンがある。夜になると水が地面から出てきて車が抜け出せなくなるそうだ。また地雷原の位置もよく知っている。バッタを追う著者を救うこともしばしばである。このティジャニ君を著者は極めて厚情を持って接している。決して、上下関係ではない、まさにパートナーである。著者の人情の機微は見ていて嬉しくなるほどだ。

また、砂漠の民と共に山羊を屠って、食す場面も興味深い。最後に骨にのこる髄液を米に混ぜ炊き込んだ肉飯をいただくシーンがある。これが実に美味らしい。アフリカの食事はシンプルだが、旨いと私も思っている。いやー、食べてみたいもんだ。

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