これまた日本人会の無人古本コーナーでRM1で手に入れた新書で「幕末バトル・ロワイヤル」(野口武彦/新潮新書)をほぼ読み終えた。著者によれば、幕末は天保の改革にまで遡るべきだと言う。天保の時代の様々な資料をもとに、教科書にはない江戸時代末期の姿を垣間見ることが出来る本である。登校時のバス車中くらいしか最近は読書の時間をとれないのだが、なかなか集中して読める面白い本であった。私は日本史の幕末以前はあまり興味がない。まさにその境界線あたりの本なのである。少しずつエントリーしようかと思う。
まずは、三方領地替えの話。封建社会は、地縁・血縁の地域共同体というのはむしろ例外(たとえば、毛利や島津)で大名はあらかた転勤殿様であるそうだ。なにか不始末をした藩、老中などの役職について出世する藩主の藩がからんでいるとのこと。国替えは、3つの領地で玉突きするカタチで行われることが多かったらしい。領民からしてみれば、領主は年貢を取り立てるばかりではなく、御用金やら無尽講やらの名目で多額の金を借り上げる存在である。領地替えということになれば借金を踏み倒されることもしばしばであったとのこと。天保の改革で有名な水野忠邦が寺社奉行に出世しての領地替えの時も、唐津の街は大騒ぎ、いや唐津神社の祭礼で賑わっていたのがいっぺんに冷め切ってしまったのだという。こういう話を聞くと、貨幣経済の浸透がかなり進んでいることが伺えるわけだ。
2018年1月30日火曜日
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