空自のF2と編隊飛行するB1B http://sorae.jp/030201/2016_09_15_b1b.html |
そんな中、意外に冷静なのがアメリカである。先日、B1-Bをグアムから韓国上空に飛ばした。B1-Bは、米空軍の可変翼のステルス”戦略爆撃機”である。私は、このB1-Bを、サウスダコタ州の戦略空軍基地に併設された航空博物館を訪れた際に、超低空で離陸・旋回しているのを見たことがある。(2010年12月2日付ブログ参照)。凄い迫力で、強烈な印象を植え付けられたのである。さて、このB1-B、空自のF2と編隊飛行をしたあと、韓国空軍と合流して、北朝鮮に軍事的アピールを行ったと報道されている。
実は、私も意外だったのだ。何故B1-Bなのか?実はB1-BはSALTⅡの対象で核兵器搭載能力はない。あの不気味な鳥のようなステルス爆撃機B-2や、未だ現役のB-52は核搭載能力がある。B1-Bは、そういう意味で、今や戦略爆撃機というより”戦術爆撃機”なのである。アメリカは、極めて戦略的なチョイスをした。つまり、あえて北朝鮮に核攻撃する意図のないことを示したのである。とはいえ、B1-Bの能力はたいしたものだ。通常兵器とはいえ、地下にある施設など木端微塵にできる能力がある。しかもステルス機で、超低空で攻撃目標に迫ることができるのである。今回の軍事的アピールには、B1-Bが最もふさわしかったわけだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160914-00010000-norimono-bus_all
…これで、北朝鮮がおとなしくなるとは思えないが、とりあえず示威したわけだ。本気で韓国が立ち上がると決意した際には、北朝鮮のミサイル潜水艦の位置を確認したうえでSSN(攻撃型原潜)で撃沈した後、F22やB-2を一気に投入、レーダ基地、核施設をはじめとした軍事施設とピョンヤンの司令部を徹底的に叩くだろう。その後特殊部隊や海兵隊をピョンヤンに降下させるだろうと思われる。(米韓合同演習でも、そういう訓練をするらしい。)
…そうなれば私は中国は動かないと見る。経済的リスクが大きいし、いまや社会主義国としての同志愛もクソもない。アメリカとの決定的な対立は避けたいのが本音である。中朝国境で難民流入を防ぐのが精いっぱいだろう。韓国内も難民流入で大混乱になるのは必至である。日本にも日本海を渡るボートピープルが現れることは間違いない。それ以上に、集団自衛権のハナシで大騒ぎになると思う。結局、日米韓中のどの国も得しないわけだ。
…ただ、韓国経済がここにきて、様々な問題で危機に瀕しているのが気になる。人口が減少に転じたら、韓国経済は成長に危険信号が出る、とは以前日経の記事で読んだが、経済的リスクの方が、朝鮮半島統合という軍事的なリスクより大きければ、一時期の痛みを甘んじて受け、第二のドイツたらんとするかもしれない。
…こういう最悪の事態が来ないことを祈るのみである。
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