2016年9月21日水曜日

IBTの話(38) 「文系なんで。」

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NHKのコント番組「LIFE」で、内村氏が「NHKなんで。」というギャグを使っている。私は、これを時々授業で「文系なんで。」という言葉に変えて使っているが、なかなか生徒に受けている。地理分野などで、理科的な説明をぶっ飛ばす時に使う。たとえば、アルミナの電気分解の説明やコークスの乾留の説明など、まあそこまではいいか…と適当に説明を打ち切る際に使うわけだ。

EJU対策で今、経済分野の復習をしている。彼らが今年の2月や3月頃に学んだ内容だが、日本語能力が今とは雲泥の差なので、今だからこそ理解できるという感じだ。経済は、概念的用語が多い。中でも、多くの生徒(これまでの日本の高校生も含めて)が、苦手とするのが、需要と供給の曲線の内容だ。なんとか、わかりやすく教えれないものだろうか。

この需要と供給のグラフに纏わる問題は、およそ3種類ある。いわゆる需要曲線と供給曲線が交わる問題。次に、それぞれが、シフトする問題。さらにそれぞれの傾き、弾力性の問題である。

私は、まず、経済学は、利益を得ること、安く買うという行動原理の「経済人」のモデルを考える学問であることを教えることにした。さらに、このグラフ群は、まくまでそのモデル図であること。理科のDNAのモデルや分子構造のモデルと同じだと教えた。さらに、グラフからDやS、PやQといった数学的な記号を抜いた。文系には、このQ1-Q2などどいう説明は、問題をややこしく見させるだけなのである。…「文系なんで。」

じっくりと、スクールホリデー期間に考えた教え方のコツは、いわゆる需要曲線と供給曲線の交差(適正価格)のグラフは、縦軸の「価格」から見るとよく理解できること。次のシフトするグラフは、反対に縦軸の「量」から見るとよく理解できること。さらに弾力性のグラフは、一定額を設定(縦軸)したうえで、その角度の違いでできる三角形で、よく理解できること、だった。

この指導方法は、十分効果があったようだ。

丸暗記ではなく、そのモデル図としての意味を読み取るスキル。細かいことは忘れてしまっていても、理屈の骨子さえちゃんと理解していれば、本番の試験でも、類推でなんとか正解にたどりつけるはずだ。

IBTのM先生は、物理学習の合言葉として、「シンプル&イージー」と常々、おっしゃる。実に薀蓄のある良い言葉だ。社会科の方は、「文系なんで。…」でいこうかな。

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