2016年9月2日金曜日

IBTの話(36) 日本で学ぶ意味

http://ameblo.jp/toku58/entry-11401709393.html
国費生も私費生も、自分の進路の問題で悩んでいるようだ。生徒からも、志望理由を指導されている日本語の先生方からもよく相談を受ける。いつも、話題になるのが、何故日本で学ぶのか?という問いかけである。日本の大学にわざわざ行かなければならない理由づけ、といってよい。

理系、特に工学部などはわかりやすいのだが、文系となると、ちょっと困るのである。日本で学ぶ文系、それも日本文学や日本の歴史、文化、宗教、哲学といった人文系を省き、(やりたいという生徒はいるが、極めて日本語が難しくなる故に、やめたほうがいいと伝えている。)特に国費生は、社会科学系への進学を求められている。将来のマレーシアを背負う人材育成が主題なのだから、経済学や経営学や政策学、国際関係学部などが主な行先になる。法学は日本とマレーシアの相違が大きいのと、日本語がこれまた極めて難解になるので、選択肢から省かれることになる。

結局のところ、これらの社会科学系学部の学びを咀嚼して、日本に行く意味を探すことになる。そんな中、今日の毎日新聞(WEB)で、新幹線の清掃を行っているJR東日本の「テッセイ」がハーバードの経営大学院(HBS)の必須教材として取り上げられることが決まったという記事を見つけた。

東京駅に停車する12分間の中で清掃に使える時間は7分間だそうだ。その間に全てを行ってしまうプロ集団。「奇跡の7分間」と呼ばれているそうだ。いわば、日本のお家芸、「段取りの良さ」の極地である。同時に、これを実現した経営手腕が学習教材にふさわしいとのこと。これも日本的経営、「人情の機微のマネジメント」と言っていいかもしれない。

最近は欧米では、現象学的な統計的数値を分析する経営学が主だそうだ。日本は、そういう世界的な趨勢に取り残されつつも実学としての経営学をやっているらしい。これに対する批判もあるそうだが、IBTの生徒には実学を身に着けてほしいと思っている私には、この毎日新聞のニュース、、実に耳よりだった。

http://mainichi.jp/articles/20160902/k00/00m/020/121000c

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