2010年12月9日木曜日

中国異質論とTPP~なるほど

TPPの問題は、ミニ国連の授業で生徒諸君と是非討論したいテーマだ。ところで、昨日の毎日新聞の朝刊の『水説』に、「中国異質論とTPP」というコラムが載っていて、これまた面白い。要するに、アメリカの中国戦略の1つとしてTPPを捉えているわけだ。マレーシアは、生き残りをかけてTPPに参加した。まさしく肉を切らせて骨をたつという決意。このマレーシアのような国家戦略は、日本にあるのだろうか。法務大臣がどんなに軽かろうと、自衛隊が暴力装置だろうと、そういうしょうもない問題よりも、日本の行く末を論議してほしいもんだ。
昔々、レスター・ブラウンの『プランB』という本が出た。環境問題に関する本で、私はこれを読んだ時、日本の産業構造はこの方向へ向かわせなければならない、と思えた。実際、ドイツはいち早く、この本に書かれた方向に動き、日本のソーラー生産を追い越して行ったし、オバマもグリーン・ニューディールをうたった。あれよあれよという間に、日本の技術は素晴らしいのに、置いて行かれたような気がする。政治の貧困といってしまえばそれまでだが、なんともやるせない。

ちなみに、今日の『木語』は、オバマ大統領が、急遽アフガンを訪問したことの謎解きをしてくれている。アフガンには、世界第2位の埋蔵量といわれる銅鉱(アイナク鉱山)があるらしい。一時ソ連が開発したが、その廃墟をアルカイダが訓練基地に使っていた。(凄い話だが…。)これに、中国が目をつけ、2年前に採掘権を手に入れたという。さて、そこに紀元前前の仏教遺跡がニイハオと出てきたんだそうだ。(筆者の金子秀敏の表現のママ)首都カブールからフランス人考古学者が駆け付け、文化財保護の必要を叫んだらしい。で、今後3年間採掘は中断したという。今夏のことである。その前の3月、オバマ大統領は、まずアフガンを電撃的に訪問、中国訪問を終えた直後にカルザイ大統領に、開発への注文をつけた。鉱山相へ中国から多額のワイロが渡っていると批判したのだった。要するに、アメリカはアフガンへの中国進出が気に入らないのである。しかも、中国は、この鉱山とウィグル自治区を鉄道で結ぼうとしている。で、今回のオバマ訪問。アフガンが中国にがっちり組み込まれることを拒む動きだった。しかし、対談は実現せず、電話で話しただけだったという。それで、あとは困った時の”仏”頼みだ、という話。タイトルは、『アフガンに仏様降臨』。

こうしてみると、中国も、アメリカもやるのである。次々と外交の手を打っている。その波間にプカプカ浮かぶ日本。ほんと、大丈夫か?政局がどうのこうの言っている場合ではないと思うのだが…。

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