2023年11月7日火曜日

佐藤優 聖書を読む 使徒言行録

佐藤優と中村うさぎの「聖書を読む」を通勤時に読んでいる。中村うさぎという人物はよく知らないが、小説家・エッセイストらしい。私と同年生まれなのだが、読んでいて共感することは殆どない。だが、佐藤優の解説が読みたいがために購入した文庫本である。この本を読んでいる理由の1つに、新約聖書の使徒言行録を扱っていることが挙げられる。これまで四福音書や黙示録には触れたことはあるが、使徒言行録はほとんど初めてである。

この章で、聖霊について面白い話が綴られている。ユダヤキリスト文明では、プシュケー(魂:個性がある)とブネウマ(ギリシア語で霊のこと、ドイツ語では、”ポルダーガイスト”のガイスト:あらゆるものが生きていく原理で個性はない)は全く違うもので、日本や中国のような霊魂という概念はないらしい。アダムは、神によってブネウマを吹き込まれた。動物は、神の息を吹き込まれていないので殺生してもいいし、動物は原罪がないから洗礼を受けることは出来ない。罪がないから責任もない。原罪の法体系はキリスト教の価値観の上にあるので、飼っているライオンが人噛み殺しても、ライオンの責任は追求されないし、飼い主の管理責任を追求される。ちなみに、人間で原罪がないのは、イエスと聖母マリアのみ。マリアの原罪については、1500年かけて神学論争の果てに無原罪で決着したという。

まあ、こんな感じで、面白い話題が詰まっている。おいおいピックアップしていこうと思う。

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