2023年5月22日月曜日

教師の条件は謎となること。

「一神教と国家」(中田考・内田樹)の書評、最終回。中田氏のあとがきより。素敵な記述をエントリーしておきたい。内田氏のことを、謎の人、生まれながらの教師と評した後、『結局のところの、教師の条件は、1つだけあり、それは生徒にとって謎であることであり、謎でなくなった時、その人は師たることを終える。なぜなら知を起動するのは好奇心であり、未だ想像もできないことへの憧憬だからである。その効用が予めわかっているようなもの、それを学ぶことで何が得られるか容易に想像できてしまうようなもの、そんな出来合いの知識を教える者は職人か、商人であって、教師ではありません。(中略)教師の仕事は生徒の学びのトリガーとなることであり、それだけである。学びの主役は教師ではなく、生徒にある。』とある。

これは、もちろん大学の教師像ではあるけれど、ここで中田氏が語ろうとしていることは、高校教師たる私にもよく理解できる。だからこそ、このブログを備忘録としてわずかながらも日々、知を集積しているわけだ。私も「謎」の人であり続けたい。

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