2018年10月29日月曜日

ペンシルバニアの事件に思う。

http://handbill.us/2016
/06/13/trump-a-go
od-guy-with-a-gun
-could-have-helped-
stop-orlando-massacre/
民主党の重鎮に対する爆弾送付事件があったと思ったら、今度はペンシルベニア州ユダヤ教のシナゴーグ襲撃事件が起こった。アメリカの分断は、その祭司である大統領の無軌道で品位のない差別発言が拡大させていると、多くの人々が指摘するが、私もその責任を問いたいと思う。

そもそもペンシルバニア州は、「信教の自由」が「州是」である。クウェーカー教徒のウィリアム・ペンによって開かれ、カトリック教徒の比率も多い。もちろんユダヤ教徒もである。その地で、このような事件が起こることが信じられない。小学5年生の大統領は、シナゴーグが武装していればこのような事件は起こらないと言う。果たしてそうなのだろうか?

そもそも、銃器の所持は、合衆国憲法の権利の章典の修正第2条に抵抗権の必要性から付加されたもので、歴史が古い。しかし、これはあくまで、連邦政府への抵抗権の肯定であって、学校や宗教組織が武装する社会とは全く違うだろうと思う。私は、アメリカの民主主義や政治がきれい事ではなく武力を常に肯定して発展してきたことを歴史から学んでいる。だから、一概に銃規制すべきだと結論づけたりは出来ないと思うのだ。

とはいえ、世界の中心的な先進国で、各人が自己防衛のために常に武器を携帯しなければならない社会となることが必要だと言われて、国民は納得することが出来るだろうか。極めて非文明論的な結論である。

この事件の直後、大統領は、さらに死刑存続を訴えたらしい。さすがに小学5年生である。おそらく、本人はペンシルベニア州が死刑をどう扱っているのか調べもしていないだろう。調べてみると、ペンシルベニア州は死刑が存続している州の一つであるが、判決はでるものの、ずっと執行はされていないのが現状である。この辺の問題は、各州の主権領域であり、死刑廃止州もあるわけで、司法制度にも関わるし、連邦の行政の最高責任者たるものが、外交や軍事ならともかく、軽々と口に出すものではないと思うのだが…。まあ、そんな分別もないのだろう。さて、この事件、中間選挙にどう影響するのだろうか。

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