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1.在マレーシア日系企業が投資先として魅力を感じる点
労働者・国民の英語力(73.4%)、親日的(55.4%)、少ない自然災害(52.7%)その他の高評価は、安全・治安、インフラ、生活環境。
2.改善を期待する点
公共交通機関(63.6%)、道路(40.2%)、公衆衛生(39.1%)
一部の地域では通信状況が悪いらしく、通信・インターネット(37.5%)
3.労働政策・雇用環境に関して抱える課題
賃金の上昇(69.0%)、従業員の定着率(54.6%)、品質管理の難しさ(44.0%)
4.外国人労働者(FW)政策の問題点
外国人労働者の手続きの簡素化・効率化(49.5%)
製造業では、FWが全従業員の15%(中央値)だという。なお、製造業のうち36.5%がFWの雇用に困難があり、その対策として、多くの「機械化・自動化」を挙げた。
しかし企業のうち、39.3%がこの機械化・自動化にあたって困難に直面していると回答した。まだ機械化・自動化を行っていない企業の51.9%は、そうするべきだが、事実上困難と回答。その主な理由は、技術的ノウハウ・人材不足(57.4%)であるようだ。
5.貿易・投資上の問題
為替管理が38.6%。前回より16.4%減少している。2016年の中銀による為替管理規制の変更(輸出収益の75%は、リンギに両替すること)が影響しているようだと分析している。次いで、「労務」(34.2%)、サービス業への規制が残る外貨規制(32.1%)。
6.今後の事業方針について
拡大(36.8%:前回より5.5%上昇)、その理由は安定的な経済成長、市場拡大が見込めるとの声が多かった。現状維持(61.5%)、縮小(1.6%)。この縮小の理由は、前述のように、労務費の増大による競争力の低下であるようだ。
…今年のF40Aは、経営や経済に進む学生は多くないのだが、日本企業が見たマレーシアの姿が、ここにある。クイズ形式にして、ちょっと討論もしてみた。マレーシアとはどんな国なのかという面接の質問には大いに役立つと思う。(ちなみに、貿易上のリンギ決済や、ここにはないがバスケット制の変動相場制をとっていることなども、ちゃんと教えている。意外にF40 Aの学生の経済への理解度レベルは高い。)
…彼らが、日本で何を学び、何を持って帰って来るべきかというヒントが隠されているわけで、年明けのマレー系の国費生の理系の授業でもこの内容を教材として使おうと思う。ただ、F40Aのように、基礎的な経済分野の知識がないので、さてどう説明したものか、悩むところである。(すでに日本に留学しているF36・38の卒業生も是非参考にして欲しいと思う。)
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