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DAPのデモは、低所得層居住区のスタバック、インド人労働者階級の居住区スンツルから出発している。GRMのデモは、クアラルンプールの中心街ブリック・フィールズ(いわゆるインド人街:鉄道労働者居住区)を行進した。野党支持のインド系が、中華系の人々と共に参加したことは明らかである。「マレーシア人のマレーシア」から「マレー人は出て行け」「マレー人はカンポン(農村のこと)に帰れ」「マレー人は死んだ」とシュプレヒコールは過激化する。
この事件による死者数は中華系143人、マレー系25人、インド系13人。負傷者は中華系125人、マレー系37人、インド系17人。州別ではクアラルンプールのあるセランゴール州が最も多く、中華系の死者125人。第四の都市・イポーのあるベラ州(同9人)、マラッカ州(同6人)など中華系の多い州で事件は同時多発した格好だ。
ただ、確認しておきたいのは、前述のように、インド系の政治集団の大多数は、タミル系の農業従事者である。彼らはMICを支持しておりマレー系主導を当然支持していた。中華系も全部が全部野党だったわけではない。完全にマレー系対中華・インド系という図式ではないのである。野党の、それもDAP・GRMといったマルチ・エスニックを標榜する政党支持者がきっかけとなったことが、これではっきりわかるのだ。
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