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このHISの社長、2度ほど再建を託されたが断っている。だが、3度目は受けるという三顧の礼には弱いらしく、念密なデータをもとに引き受けるのだが、就任前に出来る限りのことをしている。まずは負債60億の8割を放棄して貰い、残りの債務を出資金を使い就任までにゼロに。無借金経営がHISの方針だからである。佐世保市から固定資産税納付額に掃討する再生支援納付金、九州財界からも資金面以外にも協力体制を取り付けている。
これは、ハウステンボスが、長崎や九州にとってかけがえのない観光資産になってしまっていること、地元が三顧の礼でHISの社長を迎え入れたことが大きい。
その上で、2割売り上げを伸ばし、2割経費を削減することを打ち出している。細かな経費削減は当然のことであるが、広大な敷地(東京ディズニーランドの25倍)内に入場無料のフリーゾーンをつくる。これは、経費削減のため。ここの人件費や光熱費をある程度さげる。「広く薄く」を「濃く狭く」にして効率を上げたのだ。しかも有料ゾーンにはにぎわい感が出る。しかも全ての仕事・行動を1.2倍のスピードで行うことをスタッフに求めることも。
社長に就任した年の5月のGWには、入場料の値下げ、ミュージカル体験型宝塚のイベント、フリーゾーンには佐世保グルメストリート。マーチングバンドやパレードなども行い、集客が2割増。季節ごとの客層の変化に目を付け、夏は子ども連れが多いので、ワンピースやAKB、フジテレビと組んでのお化け屋敷などを設置。秋は熟年にターゲットを当ててガーデニングワールドカップを開催。冬はさらに厳しいが、光の王国で大盛況となった。多くの企業や、特にベンチャー企業の誘致で経費を掛けず集客を増やすという試みも行っている。
…結局、構想力なのである。このHISの社長はたいした人物である。ところで、この社長、大阪出身。私が15年勤めた工業高校のOBなのである。当時の工業高校は今よりだいぶレベルも高かったはずである。ちなみに笑福亭仁鶴も同校OBである。
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