2018年4月7日土曜日

ヨーロッパの新宗教事情

プロテスタントの先駆者・チェコのヤン・フス
https://matome.naver.jp/odai/2142698044305056201/2142699668421258403
妻がまた(私好みの)面白い記事を探し出してくれた。タイトルは、「キリスト教への信仰心が消える欧州 ムスリムも増加 変わる宗教地図」である。http://blogos.com/article/288563/

今後数十年で、劇的にヨーロッパの宗教地図が変わるという予想が、レポートされている。ロンドン・セント・メアリー大学の神学および宗教社会学の16歳~29歳の若者の調査では、最も信仰心の薄いのはチェコで91%が宗教を持たないと回答。エストニア80%、スウェーデンの75%、オランダの72%と続く。その逆は、ポーランドの82%が自らをカトリックだとし、宗教を持たないと答えたのは17%。フランスでは、カトリック23%、64%が宗教を持たないとした。イギリスでは、英国国教会は7%。70%が無宗教だと答えたという。

キリスト教では日曜礼拝が主だが、アイルランドは10%以上が参加、チェコでは70%以上が一度も教会に行っていないし、80%はお祈りをしたことがないと回答。イギリス・フランス・ベルギー・スペインでも56%~60%が教会に行かない、63~66%がお祈りをしないと回答した。

…イギリスがアメリカよりはるかに信仰心が薄いこと、フランスがことさらに政教分離して意識的にカトリックを忌避してきたことなどは、世界史的に明白で驚かないが、チェコはフスの宗教改革など独特の宗教観を持っているはずだが、社会主義時代を経て、最も信仰心を持たない国に変化したのだと思うと感慨深い。反対に社会主義をカトリックの力で覆した歴史をもつポーランドでは、チェコとは反対のベクトルが働いているのかもしれない。宗教社会学としては、極めて面白いレポートだと思う。
…この後は、ムスリム移民の増加、また移民が制限されたとしても、先進国的な産児制限を設けないムスリムは自然増加がキリスト教徒を遙かにしのぐので、パーセンテージが上がるという当然の話になる。で、私のブログでは詳しく紹介する必要がないと判断した次第。

信教の自由は重要な人権の一つである。社会構造の変化の影響を受けて、その信仰心が変化していくのも当然のことだと私は思う。マレーシアにいると、そういう信仰の違いを十分に認識しながら、寛容に共生することが当たり前であると感じる次第。無宗教の若者が増えたとしても、彼らがそういう寛容さを持ち合わせること、そういう教育を施すことのほうが重要な気がする。

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