まずは、日本史の超概説。万世一系の天皇制が続いていること。平安時代の後期以降は、君臨すれども統治せず状態と説明すると、ヨーロッパ近代史をすでに学んだ学生にはわかりやすい。武士の発生と武士道も、日本理解の重要な部分だと思う。今回は山岡鉄舟を題材にした。武士道を理解してもらえると、日本が欧米列強の植民地にならなかったわけもよくわかる。やはり武士は危険(生麦事件を題材とした)だし、尊敬に値する(教養の高さや潔さ)存在で、後々戊辰戦争で英仏は代理戦争の危険を冒さなかった。まあ、学生には、この時のフランスは、ナポレオン3世なのだと言うと、「なるほど勝てない戦争はしませんね。」という反応が返ってくるのも面白い。植民地化を防いだ新政府だが、不平等条約で、1/5くらいは植民地化されたようなもんだと説く。この1/5植民地化から脱する為に、日本は岩倉使節団を送り、予備交渉を行うが、それ自体は不発ながらも近代国家化の道筋をさぐることになる。意外にも最先進国イギリスを岩倉使節団はよく思わなかったのも面白い。産業革命で繁栄しつつも、児童労働などの実態を見いだす叡智が日本の武士階級にはあったわけだ。このあたりも産業革命で語ってあるので、皆、納得の様子。
国民国家化=国民皆兵を最重要課題とするあたりも、すでにヨーロッパ近代史で学んでいるところで理解が早い。日本の近現代史は、まさに不平等条約からの束縛を逃れんが為の努力である。日清・日露戦争を語り、世界史上のイギリスの地政学的優位が、日本海海戦の勝利に結びつく話もよく理解してくれた。
思えば、これまでの私の学びの総決算。かなり精選して教えているが、今のところ十分満足している。
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