2016年5月28日土曜日

「アジア45カ国の国民性」書評Ⅲ

http://www.afpbb.com/articles/-/2871017
さらに、「アジア45カ国の国民性」書評の続きをエントリーしておきたい。

レバノンとくれば、キリスト教のマロン派となるのだが、国が公式に認めた宗派は18もあるらしい。「生きた宗教の歴史博物館」という別名があるくらいである。この宗教のバランスをとることは、政治のポストからサッカー・ナショナルチームの交代に至るまで複雑にからみあうとのこと。

イランには暦が3種類ある。イラン独自の太陽ヒジュラ歴。これは、ゾロアスター教の暦がベースで、新年の祭りなどイラン古来の季節的行事などに使われる。もうひとつは、イスラム圏共通の太陰ヒジュラ暦、それに西暦である。礼拝は、スンニ派の5回に対して、イランでは3回と回数は異なる。ラマダンも熱心に行われる。この期間中は、テレビなどでも食事のシーンや食べ物を映さない。人気の日本のアニメ・アンパンマンもモザイクがかかるそうだ。

クルディスタン、クルド人の住むイラク北部の自治区には姿のロバの銅像がある。(今日の画像参照)日頃のロバの貢献を称えたものだという。それくらい交通の便が悪いということらしい。

アルメニアには、とうふでできた教会、いやトゥフという火山灰が固まった石材で教会が建てられている。当然、アルメニア正教だが、ローマ帝国より早く国教化している由緒正しきキリスト教国である。アルメニアは、アゼルバイジャンとの紛争を抱えている。首都エレバンのコニャック工場には、この紛争が解決した際に開封することが予定された「平和の樽」があるらしい。

アゼルバイジャンは古くから石油で有名な国だ。19世紀末、ダイナマイトを発明したノーベルの兄が油田を開発、カスピ海で世界初のタンカーを運行させた。その名もゾロアスター号という。

ジョージア(グルジア)とくれば、スターリンの出身地だが、大粛清を進めた秘密警察のベリヤもここの出身。ちなみに、「風の谷のナウシカ」の住人の服装はここの民族衣装にそっくりだそうだ。

ロシア連邦南部のカルムイク共和国は、モンゴル系の国で、チベット仏教の寺院が並んでいるらしい。レーニンの曽祖父はカルムイク人だったとか。

タジキスタンでは、2009年男性教師のヒゲを禁じた。タリバンは、全員ヒゲを伸ばしているからだ。そういう進行熱心なムスリムを取り締まるためらしい。ちなみに隣国ウズベキスタンでは、ヒゲは即逮捕だったとか。

アジアは実に面白いのである。

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