2015年3月19日木曜日

日経 アフリカの税関人材指導

南アとジンバブエの国境 en:Beitbridge
日経の朝刊に「途上国税関の人材指導」という小さな記事が載っていた。JICAとWCD(世界税関機構)が連携しつつ、途上国、特にアフリカの関税の改革に乗り出すらしい。まず、3月末からボツワナの歳入庁に財務省関税局の専門家を2年間派遣、ナミビアとの国境を中心に、現地担当者向けの研修や通関手続きの指導改善を行うとのこと。以後、ケニアなど東アフリカ地域、さらに西アフリカ地域でも同様の協力を進める方針だという。先年のTICADⅤで、1000人の貿易投資に関する行政官育成という目標の一環らしい。

…たしかにアフリカの国境通過は時間がかかる。私は、夜行バスで南アからジンバブエに抜けたことがあるが、国境に着いたのは夜中の2時くらいだったと思う。すごい数のトラックが国境に並んでいた。我々の夜行バスは比較的スムーズに国境を越えたと思う。(南アの)グレイハウンド社のバスだったからだろう。料金も高いし(と、いっても6000円ほどだった。)、乗客も裕福そうなビジネスマンが多かった。イミグレも優先的に対応してくれたし、ジンバブエのビザもここで簡単に取れた。荷物検査も簡単だった。と、いっても一度バスの外に出して、通関の係に申請するのだが…。私などは外国人だし、パスポートを見ただけで、バックパックを開けられることもなかった。しかも、ショナ人のおばさん(南アとジンバブエを行き来して商売しているらしい。)の荷物まで、「私のだ。」と言っても簡単にパスした。(ショナ人のおばさんは大喜びだった。)まあ、かなりいいかげんである。今から思うと、ショナ人のおばさんは、わざと通関手続きが早いグレイハウンドを使っているのかもしれない。安そうな現地人ばかりの夜行バスでは、バスの上に莫大に積まれた荷物を全部下ろして、かなりの時間がかかりそうだった。凄かったのは、トラックの運転手なのか、旅行者なのか、多くの現地人が野宿していることだった。さらにバスの中に、赤ん坊を背負った女性の乞食が、歌を歌いながら入ってきたことにもびっくりした。運転手に放りだされたけど。

とにかく、南アとジンバブエの深夜の国境は、雑然としたアフリカの匂いを思い切り感じれたところだった。結局国境を越えるのに2時間近くはかかったような記憶がある。極めて刺激的な経験だった。ジンバブエに入ると、一気に道路の舗装が、コンクリリートからアスファルトに変わった。夜が明け、バオバブの木が朝日に光っていた。途上国を旅する教え子には、是非陸路国境を越える経験をして欲しいと思う。

一人旅の経験としては、旅情が豊かな国境だが、経済的なことを考えると改善の余地は大きいと思う。こういうソフト面の協力を日本が進めることは、大いに価値があると思うのだ。

ところで、今日、3年4組のメンバーで唯一進路が確定していなかったI君の短大合格が決まった。これで、ホント何も思い残すことがない。いやあ、よかった。よかった。

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