2014年9月23日火曜日

「最後の市場 アフリカ」を読む。

昨日に続き、購入した本の紹介。「最後の市場 アフリカ」(野村修一、ジェームス・クリア共著/日本実業出版社)である。この本は、あくまでビジネス向けであるが、「はじめに」を読んでみるだけでも面白い。

「アフリカ人は目がいい」という話を、なんとなく信じている人は多いのはないだろうか。しかし実は、WHOの統計によると、アフリカでは眼鏡を必要としている人は全人口の約2割にのぼる。アフリカの人口は10億人だから、眼鏡のマーケットは2億人規模で、1000億~3000億円の市場規模があると推測される。現在のアフリカの眼鏡市場が2007年~2011年のインドと同規模だと考えると、今後のさらなる成長が期待できる。

インスタントヌードルはアフリカで売れるだろうか。多くの人は、アフリカ人がインスタントヌードルを食べている様子を思い浮かべることは出来ないだろう。しかし、たとえば、ナイジェリアでは、即席めん市場の規模が600億円にまで膨らんだ。これは世界でトップ10に入る規模である。しかも今後も、2016年までに年率25%という急成長を続ける見込みだ。

もともとナイジェリアは麺を消費する食文化ではなかった。しかし15年ほど前に、インドネシアのインドフードという会社が「インドミー」ブランドのインスタントヌードルを売りだして以降、食文化が激変した。今やインスタントヌードルの消費は、西アフリカや北アフリカにまでも浸透してきている。このことは、インスタントヌードルで競争力をもつ日本企業にとってはチャンスであり、日清食品がケニアに、サンヨー食品がナイジェリアに進出している。

アフリカ人は、アフリカ原産の食材をそのまま食していることが多く、食材を加工して付加価値を高める、といった方法はほとんど見られない。しかし、ナイジェリアでインスタントヌードルが爆発的に普及したように、少しのきっかけでこの状況は変わる可能性がある。

…眼鏡の話はともかく、以前、即席めんのアフリカ進出の話(2013年5月13日・21日付ブログ参照)をエントリーしたこともある。食生活の変化が全て良いというわけでなく、特に先進国による小麦プランテーション化=小農の排除など様々な問題もあると思うのだが、アフリカに諸工業が根付き、雇用が生まれ、各地が豊かになることは重要であると思う。この本はゆっくり批判的に読んで聞きたいと思う次第。

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