相手は同じ公立校のN高校である。練習試合では分が悪かったらしい。会場について、少し驚いた。昨日まで、司会で頑張っていたキャプテンI君も、昨年我がクラスだったY君も、可愛がっている3年生全てが、頭をまるめていた。5厘刈というのだろうか。柔道部などがよくやっている頭だ。おそらく、昨日までの「祭り」の日々から完全に切り替えて今日を迎えたかったのだろう。
Y君はフロップの3番である。試合中、相手にぶつかるたびに頭がすべるのか、ヘッドキャップがすぐ脱げていたほどだ。とにかく、今日の試合、気合が入っていたのだ。しかし、フォワードはほぼ互角なのだが、バックスの差が出た試合だった。特に、相手の15番フルバックは、上手い。その分、押されていた。
正直なところ、最初は点数を覚えていたのだが、疲れもあってだんだん判らなくなった。本校は2トライを挙げたのだけは覚えている。点数差など、どうでもいい。最後の最後まで、我がラグビー部は「あきらめへんぞ。」「まだ、いける。」とキャプテンの声に応じていたのだ。しかし残酷なノーホイッスルの笛が、秋晴れの空に響いたのだ。
ふと、昔々の歌が脳裏によぎった。「年がら年中、疵だらけ。泥んこ修行は何のため。勝って帰らにゃ男じゃない。」こういう純粋な思いと努力こそ、青春なんだなあ。そして青春はある意味、残酷である。
さてと、私もラグビー部同様、「祭り」の長い間ゲン担ぎのようの伸ばしてきた無精ひげをそうろうかな。
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