9月30日付けの毎日新聞の『ひと』の欄に、JOCV(青年海外協力隊)OBで初の特命全権大使となった冨永純正(よしまさ)氏の紹介記事が載っていた。以下は、私の抄訳。
61歳で10月初旬にコンゴ民主共和国に赴任する。「大使館に閉じこもっているつもりはない。どんどん地方に出向いて草の根、現場主義を貫きます。」エリート外交官とは一味異なる気概。福岡大学体育学部卒。元々水泳自由形のオリンピック候補選手だった。「モロッコで水泳代表選手を育ててみないか。」という日本水泳連盟の勧めでJOCVに参加したのが23歳の時。砂漠に広がる地方都市暮らし。「向上心も素質もあるのに、栄養不足の子が多い。ジレンマを抱えながら真剣勝負の日々。幸せな3年間でした。」帰国後、途上国支援を生涯の業と志した。語学力を磨くためにフランス留学などを経て外務省に入った。以来ほぼ一貫してアフリカ畑(中東アフリカ局や経済協力局)を歩んできた。元JOCVとしての『虫の目』と、大使として全体を見渡す『鳥の目』を併せ、国益を追求する。コンゴ民主共和国は資源大国。中国などとの争奪戦は激烈である。「資金援助の見返りとしてではなく、僕自身の『情』で勝ち取ります。」
JICAのHPにも紹介記事が…
http://www.jica.go.jp/topics/2011/20110930_01.html
この冨永さん、ホント凄い人なのだ。JOCVと留学から帰国後、外務省の外郭団体「国際協力サービス協会」が在外公館派遣員を募集しているのに応募。「アフリカに行けるのなら」という動機が凄い。純粋である。コートジボワールに派遣された。ここから、周辺のフランス語圏というかセーファー=フラン圏を走り回ったらしい。ここでの働きが認められ、「アフリカの現場をよく知る人物」として外務省に入省。ガボン、中央アフリカ、カメルーン大使館に勤務。異色のアフリカ一筋の人なのだ。
こういう人が日本にいること自体が、大きな財産であると私は思う。大いに期待したい。
2011年10月1日土曜日
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仏語圏の協力隊出身者は、JICA、外務省に限らずかなり仏語圏に残っていますよ。この世界では、特に異色ではありません。
返信削除いずれにしても、協力隊出身者が大使になられるのはアフリカでの外交という意味でとても面白いと思います。
匿名さん、コメントありがとうございます。仏語圏のJOCVの方の特徴なのでしょうか。面白いですね。
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