コートジボアールの日本大使公邸が傭兵に襲われたが、仏軍に救出されたというニュースが入ってきた。岡村大使は、日本外務省の数少ない希望の星である。(昨年12月6日・25日付ブログ参照)無事でなによりである。朝日新聞のWEBが最も詳しいので、これを転用したい。
コートジボワールの最大都市アビジャンで6日午前7時(日本時間同日午後4時)過ぎ、武装した集団が日本の岡村善文大使(53)の公邸に侵入した。敷地内で避難していた岡村大使らは6日午後10時(日本時間7日午前7時)過ぎにフランス軍などによって救出された。コートジボワールは昨年11月の大統領選をめぐって混乱が続き、事実上の内戦状態となっている。外務省によると、大使公邸に侵入したのは、落選を認めず大統領職にとどまり続けているバグボ氏側の兵士数人とみられる。兵士は公邸敷地内から外部に向け、機関銃などを発射していたという。岡村大使は現地職員や警備員7人とともに公邸内に避難し、国連の要請で出動したフランス軍のヘリで全員救出された。警備員1人がけがをしたとの情報がある。岡村大使は保護された後、外務省に対して「兵士側からの接触はほとんどなかった」と話しており、日本を攻撃対象にしたのではなく、交戦の拠点に使おうとしたとみられるという。AFP通信によると、岡村大使は公邸内で避難中に電話取材に応じ、「兵士はロケット砲を撃ちながら公邸に侵入し、私を含めて約10人は防弾ドアのある部屋に閉じこもっている」と語っていた。日本大使館は安全確保のため3月31日に閉鎖し、岡村大使は公邸に待機していた。公邸はバグボ氏の自宅と同じココディ地区にあり、周辺地域では国際社会が当選を認めたワタラ元首相側との間で断続的に戦闘が続いている。外務省によると、日本大使館員を含む在留邦人は全員無事が確認されているという。
…アビジャンの情勢はまさに魑魅魍魎である。ところで魑魅魍魎といえば、日本の政府も変わらない。なぜ莫大な義援金を今まで放っておけるのか、理解に苦しむ。今日やっとそのための検討委員会を立ち上げたという。被災者の把握はすでに100%とはいえないまでも、ある程度はできているはずだ。とりあえず当面の生活資金を渡すくらいの機転がきかないのかと、理解に苦しむ。官僚主義、ここに極まれりである。
私には、これは「政治主導」を振りかざした与党に対する官僚のサボタージュにしか見えない。私は官僚の味方をするわけではないが、「政治主導」と威張って言えるほど与党の政治家には、基本戦略も展望も能力もないのではないかと思っている。今は政府の中枢機構がズタズタになっているが、昔なら事務次官等会議で、官僚のドンである内閣官房副長官が、各省庁の意見を調整し、一気に義援金を振り分けていただろう。
これは官僚の逆襲である。その官僚のエゴ(我こそ国家なりという意識)は、もろ刃の剣なのである。官僚の中には、岡村大使のように立派な人物もいる。(某元ケニア大使のように魑魅魍魎もいるが…。)要は、それを使いこなす政治家の力量が問題なのである。
2011年4月7日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿