2011年4月2日土曜日

アビジャンに平和を

コートジボワールの情勢に変化が見られてきた。今朝の毎日新聞の朝刊・国際面には「元首相派、全土掌握」とある。「前大統領は孤立」とある。陸軍参謀総長も南アへの亡命の止めるなど、軍が離反しているようである。平和学では、紛争解決について、紛争が起こりそうな時に止めるのを最善策としている。だが、起こってしまった時、すぐに止めにはいるのは紛争に巻き込まれ解決のためにはよくない、次善策としては紛争の勝敗がある程度ついた時だとする。これがセオリーである。アメリカは、これを今だと見たのであろう。WEBニュースでは、アメリカが紛争解決のシグナルを送っていることを奉じている。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011040100115

ワシントン時事】カーソン米国務次官補(アフリカ担当)は31日記者会見し、コートジボワールが全面的な内戦の危機にあるとして懸念を表明、大統領辞任を拒むバグボ氏に対し、主要都市アビジャンに暴力が拡大すれば責任を追及すると警告した。同次官補は、コートジボワールが内戦に突入した場合、難民流出のほか、シエラレオネやリベリアなどの周辺国に政情不安が飛び火する恐れがあるとの見方を示した。また、大統領選で勝利したワタラ元首相の支持勢力がアビジャンに迫り、軍高官の亡命も相次ぐ中、バグボ氏の立場は著しく弱体化していると指摘。「アビジャンでの広範な流血と権力奪取をめぐる戦いを回避して辞任する機会は残されている」と強調した。(2011/04/01-07:23)

このへんのアメリカの外交感覚はやはりたいしたものだと私は思う。最近のオバマのアメリカは、「世界の警察であること」に少し自嘲気味である。リビアへの攻撃に対しては最近EUの後方支援に回っているし、今回の大震災、自国の原発推進政策や普天間問題もあって「トモダチ」に徹しているのも、結局は国益に帰着するのだろうが、昔のちょっと怖い保安官よりはいいと私は思ってしまうのである。

それより問題は、コートジボワールである。誰がどうひいき目に見ようともバグボのわがままである。これ以上悪しきガバナンスの被害者をだしてはいけない。アメリカの紛争解決能力に、ここは期待したい。サルコジは自国の”原子力中華共和国”という立場を守るのに精一杯のようだから。

0 件のコメント:

コメントを投稿