9年目の”9.11”である。あの日、私は、2機目がWTCに追突する瞬間をリアルタイムでTVで見た。凄い衝撃を受けたことを覚えている。NYCに行った時、WTCをバックにリバティ島で写真を撮ったし、現地から地下鉄に乗ったこともある。そうそう、トークン(5円玉のようなNYCの地下鉄・バスの共通のチケットのようなモノ)を手に持っていたら落ちてしまい、「どこやあ?」と探していたら、20mほど離れたところからビジネスマンが、私に渡してくれたりした思い出の場所でもある。だから余計に衝撃を受けた。
ところで、今日の画像は、息子が昔、モロッコでお土産として買ってきてくれた”おもちゃ”である。ビン・ラディンがサーフボードで、ブッシュが戦車でレールの上を走ると言う単純なおもちゃなのだが、これが凄い。このおもちゃの動力は、ブッシュ戦車のモーターのみである。ビン・ラディンには動力がない。よって、常に押出されて前を走ることになる。つまり、絶対に追いつかれないのである。『ブッシュ(米軍)なんかに、絶対つかまるな!頑張れ! ビン・ラディン!』というメッセージが、そこにある。私のブツは学校にあるので、今日、その画像を探していたら、『インドで話題のおもちゃ』というニュースに出会った。バンガロールらしい。と、いうことは世界各地で販売されていることになる。案外、世界はビン・ラディンにシンパシーを持っているのだ。
ところで、アメリカの世界戦略は多分に、その時その時でコロコロ変わるプラグマティックなのものであるが、建国以来の『明白な天命』をその国是としていることは有名である。すなわち、『自由と民主主義を拡大していくこと』である。まあWWⅡ後の日本など、典型的な”明白な天命の地”となったわけだ。私は、9.11は、イスラム世界をはじめとした非欧米化を標榜するヒトビトの、『明白な天命』への強烈な”NO”だと思っている。当然私はテロを是認するものではないが、アメリカを始めとした欧米に全く非はないとはいえない。構造的暴力としての貧困の責任の多くは、先進国側にあるし、欧米のグローバル・スタンダードを「正義」と誤認して、世界に押し付けているのもまた事実である。
またまたアメリカの某教会の牧師が、コーランを焼き捨てる運動などを宣伝したものだから、ゴタゴタとモメている。一神教の世界は、善と悪しかない二元論となりやすい。多神教世界に生きる我々からすれば、異文化理解・異文化共生は、少なくとも頭では理解しやすい。ただ単に馬鹿じゃないかと非難するのではなく、一神教の教義や二元論的価値観や明白な天命や…それらのことも含めて理解し、自分の意見を形成するべきである。(その上で、結論が馬鹿じゃないか!となってもいいと私は思うのである。)単なる欧米のグローバルスタンダードを正義とするのでもなく、途上国のテロを正義とするのでもなく、様々な事例を学びながら、”地球市民としての立場”でモノを考える、それが、ESDの異文化理解だと思うのだが…。
2010年9月11日土曜日
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