今日は久しぶりに、女子バスケットボール部の試合を見に行ってきた。本校では、強制的に運動部と文化部の顧問を1つずつ持つことになっている。私は美術部の主顧問であり、女子バスケットボール部の副顧問というわけだ。長らくK先生が女子バスケットボールを熱心に見てこられたのだが、今春転勤したのでN先生というバスケットに全く素人の先生が顧問となった。現場ではよくある話だ。今日はN先生が広報関係の出張があり、私にオハチが回ってきたというわけだ。私も当然バスケットボールの素人である。K先生の横で何度も試合は見ているが、気楽なその他大勢的応援に終始していたので、細かい手続きとかは初めてある。本部へのメンバー表の提出や試合場での交換など、ほとんど生徒がしてくれた。タイムアウトもメンバー交代もである。まさに”オカザリ”である。ちょっと情けない。
とはいえ、長くサッカー部の顧問をやっていた(と言っても横で専門の先生の指導を見ていただけだが…)ので、フォーメーションはわかる。サッカーもバスケットもフォーメーションが崩れると目もあてられない。今年は1年生が数人入部してくれて、これがまたなかなか上手いのである。マンツーマンのディフェンスだが、そんなには崩れない。ただ、部員総体が少なく、専門的な指導ができないのでフォーメーションの練習はほとんどやってないらしい。しかもサークル的に練習しているので、ある程度まではやれるが、よく訓練されたチームには通用しない。圧倒的体力差、リバウンドへの執念、1対1の弱さを露呈して、大差で今日は負けてしまった。仕方のないことだが、やっぱりくやしい。
ところで、今日の朝刊に、同じ大阪市立のH高校で5年前に体操部の練習中に頭に大けがをして全身麻痺となった生徒の事件の判決が出たとあった。全面的に高校側(大阪市)が敗訴したらしい。この顧問も素人で、独学で体操を学んでいたらしいが、無理な指導をした、安全対策としてもっとマットを置くべきだったということらしい。おそらく、その通りなのだろう。私は体操など全くの素人だからわからない。でも、もし、私が転勤して、どうしてもそういうクラブを持つことになったら…とつい思ってしまう。これが現場の正直な声だ。私の推測だが、この体操部の顧問は、きっと責任感の強い、熱心な先生だったと思う。でないと、独学で勉強したりしないはずだ。被害者の生徒もお気の毒だが、顧問もお気の毒だと私は思う。本当に責められるべきは、自分に廻らぬよう逃げとうした教員や、押し付けた教員、フォローしきれなかった学校と市ではないだろうか。
本校は進学校だし、少人数の高校で雑務も無茶苦茶ある。そのうえにクラブである。よほどの熱意と余裕がなければ、クラブ指導に熱心に取り組めないのも事実である。生徒も熱心なクラブなら、土日も練習、試合の連続で、私と同じ齢で仲のいいY先生など、バドミントンの指導でほとんど休んでいないはずだ。しかも、財政逼迫の折り、クラブ関係の手当は無いに等しい。(カネの為にやっているわけではないが、反対に持ち出しも多い。)現場としては責任だけやたら重く、経済的応援もしてもらえない。士気が下がるのも当然である。(でもみんな歯をくいしばって生徒の為、さらには自分のロマンを求めて頑張っているのである!)
クラブを指導することを、教員志望の大きな理由にしている学生も多いはずである。財政の問題だと、簡単に切り捨てられて、有望な学生がますます教員に魅力を感じなくなったら、優秀な教師が集まらず、”教育”自体が低下しやがて崩壊していく。官僚や政治家は、現場の声をもっともっと聞いてほしいものだ。
2010年9月4日土曜日
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