2010年4月20日火曜日
バーンガ 2010
昨日に続いて、今日はB組で『バーンガ』というアクティビティをやった。このバーンガ、やるのはずいぶんと久しぶりである。私が担任をした1年C組のLHR以来ではないかと思う。実は、準備がかなり邪魔くさいのである。使うのは、普通のトランプである。但し、時間短縮のために、A~10のみ使用する。これを6セット。社会科準備室にトランプを置いていたはずが見つからない。私の机やロッカーは、本やファイルや国際理解教育の教材で、ごみ山のようになっている。結局また近くの100円ショップに買いに行くはめになった。それから、これが最も邪魔くさいのだが、トランプのルール(セブンブリッジみたいなルールである)を書いた紙を6種類作るのである。それぞれが微妙に違うのである。時計回りにカードを出すとか、反時計回りだとか。数が大きい方が強いとか、小さい方が強いとか。スペードは、いつでも出せるとか、ハートはいつでも出せるとか。それを人数分コピーするのである。インターネットで『バーンガ』で検索するとモデルになる文書を見ることができる。今回はこれを元に少々いじってみた。
さて、授業はグループをつくることから始める。このバーンガのポイントは、一切声を出さないということだ。それに慣らすため、黙ったまま、誕生日ごとに輪になってもらった。もちろんボディラゲージはOKである。そのうえで、7人~6人のグループに分け、机を4つくらいひっつけてトランプの開始である。それぞれのグループにトランプとゲームのやり方を書いた文書を人数分配っていく。生徒諸君はみんな真剣に読んでいる。で、まあやってみようか、ということで練習を2回ほど。さあ、本番。みんな真剣にゲームに興じるのである。この間にこそっと、全てのルールを書いた紙を回収する。先にカードが無くなった勝者と最後までカードが残った敗者を決める。勝者は時計回りの隣のグループへ、敗者は反時計回りの隣のグループへ移動するのである。実は、ここからが、このバーンガの本番なのである。「じゃあ、2回戦開始!」私の声に、みんなやり始める。すると、あちこちで、声のない言い争いや説得のような仕草、あるいは私に助けを求める声なき声、様々な反応が返ってくるのである。今日もなかなか盛り上がった。「ハイハイ、声をださないで!」と言いながら、無視して「では3回戦!」…中には不平を顔に出す生徒もいて楽しい。同様のトラブル、パニック…。「さて、もうしゃべってもええぞう。」と言うと、口々に「なんでこんなことになるん!」「おかしいわあ!」「もっかいルール見せてぇ!」…いつもは淑やかな女子クラスのB組が、凄い喧騒に包まれた。(笑)こういうアクティビティである。
このバーンガ、JICA東京でのケニア研修旅行前の事前研修で教えてもらった。私は、結局同じグループで移動することなく、ほとんど牢名主のように、ここのルールは、こうだ!と言い張る役回りだった。なんか変な奴が来ては文句をつけるので「アホか」と言う感じで仕切っていたのを思い出す。実は、このアクティビティは、”異文化理解”のためのものなのである。しゃべらせないのは、言語が通じない状況をつくっているのに近い。移動したメンバーは、一気に異文化に突入し、右往左往するのである。また元のメンバーは異分子の登場にイライラするのである。謎解きを終えると、みんな大いに納得してくれた。なるほど…という声があちことに聞こえた時、チャイムが鳴った。久しぶりなのでどうなるかと思ったが、ホッと一息ついた私であった。
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