2010年4月21日水曜日

キべラスラムに Good PeePoo 


 先日、リンクにある『アフリカのニュースと解説』を見ていたら、ナイロビのキべラスラムの話が載っていた。「ナイロビの水虫」事件(2月15日付ブログ参照)で、私は病院から帰り、その日の午後に、キべラスラムを訪れたのだった。<今日の画像は、その時、金沢のT先生が撮影したものである。>最初からびっくりした。フライング・トイレットの話がでたからである。キべラスラムには、上下水道がない。よって、糞尿はプラスチック・バッグ(ビニール袋)に入れて屋根の上に放りあげるのだとの説明を受けた。この時の衝撃は現地に行って、五感で体験しなければきっとわからないと思う。
 そのキべラスラムに朗報なのである。スウェーデンの建築家が、排泄物を入れる袋を開発したのである。缶などにその袋をいれて、サムシングする。封をすれば24時間に臭わず、しかも袋内にコーティングされた尿素によってサムシングは2~3週間で肥料に変わるのだという。Pee Pooという名前だそうだ。すばらしい成果を挙げているとあった。キべラスラムだけでなく、下水道の完備していない都市生活者のアフリカ3にとって朗報である。しかもこれは、大きなビジネスにもなる。
 
 キベラスラム…。「はわゆー。はわゆー。」と声をかけてくれる子供たち。ヤギのフンと雨季の雨水とあらゆる種類のゴミが散乱する道。屋台から聞こえる大音量のレゲェ。冷めた視線を送る若者。日本からきた「白人」を全く存在しないモノのように通りすぎる婦人。エイズの実態を熱っぽく語った看護婦さん。おそるおそるチャイを運んでくれた痩せた若者。そして、見渡す限りのトタン屋根…。

 エイズのカウンセラーが、カウンセリングを受けないと参ってしまうほどの現実を我々は聞かされた。アフリカの深い闇を、私はナイロビのキベラスラムで知ったのだった。

 そのキベラスラムに、人間の安全保障の1つのヒカリがさしたようだ。きっとうまくいく。その名前は、PeePoo。彼らは、きっとこの袋を、”Good PeePoo”と笑って名付けるような気がする。

4 件のコメント:

  1. 「アフリカのニュースと解説」のブログを書いているMiyaです。コメントありがとうございました。実は私も先生のブログを数ヶ月前から拝見していました。リンクを張って頂き、ありがとうございます。

    日本在住の方がアフリカに関するブログを書いておられますが、リンク集を作る時は是非入れさせて頂きます。アフリカ在住者(現在&過去)のリンク集は既に作成しましたので、ご覧下さい。

    「サムシング」という表現、いいですね。

    返信削除
  2. MIYAさん、わざわざコメントありがとうございます。詳細なデータと、語学の苦手な私にとって貴重なニュース・ソースを提供いただき、常にに感銘を受けています。これからもよろしくお願いします。

    返信削除
  3. やっとブログチェックできました。
    八百屋はなかなかの激務です。

    今回のブログも興味深かったですが、前回頂いたコメントに、命題のどこにいるかという問いがあったのでそれに答えさせていただきます。

    私の最近のもっぱらの関心は命題よりも、「自分」や「個性」というものにあります。今の自分は様々な経験によってつくられていますが、私がどんな環境で育っても変わらない核心は何なのかを知りたいです。そういう視点から見ると命題はその核心に塗られていく部分だと思うので最大の関心からは少しずれます。外部環境によってつくられた個性と、外部環境とは一線を画した核心的な超個性のようなものを発見することを夢見ています。

    返信削除
  4. 哲平さんへ。ちょっと教師くさい意見を言うと、30~35歳くらいの間に確立すると思います。理由は、35を過ぎると人の意見を真摯に受け止めることができにくくなるからです。捨てても捨てても最後に残るアイデンティティ。焦る必要はないと思いますねえ。

    返信削除