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さて書評に入る。米に関しては、日本の自給率は97%である。よって、この本では、いきおい日本国内の話が主流になっている。日本の米の生産高は、新潟、北海道、秋田と続く。寒さが厳しい地域が上位にきているのは、熱帯の作物である稲は光合成によってデンプンを作り、夜にはそのデンプンを消費する特性と関係がある。夜に気温が高いと稲は活性化し消費しすぎてしまう。よって、昼高温、夜低温という気候が最も適している。よって、北日本のこれらの県が上位にくるわけだ。しかも稲は大量の水が必要だが、これらの地域は積雪量が多く雪解け水恵まれている。
米はほとんどが主食用になる。作付面積で見ると、①コシヒカリ(33.7%:味の濃い料理や肉料理に合う)、②ひとめぼれ(9.1%:冷めても味が落ちないので外食・中食用に利用されている)、③ヒノヒカリ(8.3%:西日本中心で栽培、カレーに合うらしい)、④あきたこまち(6.8%:おにぎりに適してる)、⑤ななつぼし(3.4%:北海道に多く寿司などに重宝している)という順になっている。*中食というのは、コンビニなどで買い求め家等で食することを意味する。
なお、主食用以外では、飼料用の米(ブロイラーや採卵鶏、豚などに利用)もあるし、米粉(グルテンを踏まない米粉は世界的に市場価値が高いらしい。)をつくるためのうるち米や餅米も生産されている。うるち米は団子やせんべいに使われる。うるち米の生産高は新潟がトップ、餅米は、北海道、第二位は佐賀である。小麦でもSAGAが登場したが意外な話である。日本酒の原料となる酒造好適米は、山田錦という品種は兵庫、五百万石という品種は新潟がトップである。
ところで、日本の米消費量は大きく減少している。減反政策も進んでいるのだが、1995年から毎年77万tの海外米を輸入している。これはGATTのウルグアイ・ラウンドの交渉によるもので、「ミニマム・アクセス米」(MA米)と言われている。アメリカ、タイ、中国、オーストラリアなどから輸入しており、TPPでオーストラリアから6000t追加輸入している。MA米は主食としてより、加工用(味噌、焼酎、米菓等)に使用されているが、国際米より低価格で販売されているので多少の需要もあるが、保管に1tで1万円くらいかかるという財政負担のデメリットもある。飼料用や海外への食糧援助にも使われている。
一方、日本の品質の良い米は輸出もされている。香港、シンガポール、台湾、アメリカ、などに需要がある。マレーシアでも、そもそも日本食の人気が高く、かなり高価だったが日本米が売られていた。とても手が出なかったけれど…。(笑)
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